イスラエル極右がガザ作戦の「決定的勝利」を要求 ネタニヤフ政権に圧力
ガザでの戦闘が始まってから22カ月以上が経過するなか、イスラエル国内ではハマスの「完全な打倒」を求める極右勢力と、人質解放と停戦を優先すべきだと訴える市民との溝が一段と深まっています。こうした中、国連安全保障理事会がガザ情勢を協議する会合を開く予定で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は難しいかじ取りを迫られています。
極右閣僚が「決定的勝利」を要求
イスラエルの安全保障閣議は金曜日、ガザ市の制圧を含む形で軍事作戦を拡大する計画を発表しました。しかし、ネタニヤフ政権を支える極右閣僚らは、この方針では不十分だと批判を強めています。
極右の財務相ベツァレル・スマトリッチ氏は土曜日、首相の決定を「中途半端だ」として動画を公開し、次のように非難しました。
「首相と閣議は弱さに屈した。感情が理性を押しのけ、再び『決定的勝利』を目指さない軍事作戦を選んだ。ハマスに限定的な圧力をかけ、人質の一部解放を狙うだけの作戦だ」と述べ、これまでと同じアプローチの繰り返しだと主張しました。
同じく極右の国家安全保障相イタマル・ベン・グビル氏も、公共ラジオで「ガザ全域の掌握と住民の移転、入植が必要だ」と語り、さらに踏み込んだ強硬策を提案しています。こうした発言は、すでに深刻な人道危機に陥っているガザでの将来像をめぐり、国際社会から強い懸念を招いています。
ネタニヤフ首相は、今週日曜に予定されている国連安全保障理事会の会合を前に、国際メディアを対象にした記者会見を開く見通しで、自らの方針を改めて説明するとみられます。
人質解放を求める市民デモと深まる分断
ガザでの戦闘が長期化するなか、イスラエル社会では「戦争を続けてハマスを完全に壊滅させるべきだ」とする声と、「停戦と人質解放の合意を急ぐべきだ」とする声が激しくぶつかっています。
安全保障閣議の決定を受け、土曜日の夜にはテルアビブに多くの市民が集まり、作戦拡大に抗議しました。参加者たちはガザで拘束されたままの人質の写真を掲げ、「政府は人質の解放を最優先すべきだ」と訴えました。
ハマスによる2023年の攻撃で連れ去られた人質251人のうち、ガザには今も49人が残され、そのうち27人は死亡しているとイスラエル軍は見ています。過去の一時的な停戦では、人質とイスラエルに拘束されているパレスチナ人囚人との交換が行われましたが、すべての人質解放には至っていません。
殺害された人質の遺族であるシャハル・モル・ザヒロ氏は、集会でネタニヤフ首相に向けて「もしガザへの侵攻によって人質が殺害されるようなことがあれば、私たちは選挙キャンペーンや広場など、あらゆる場所であなたを追及し続ける」と強い言葉で警告しました。
国際社会の批判と国連安保理の注目
イスラエル政府がガザでの軍事作戦をさらに拡大する方針を打ち出したことで、世界各地から批判の声が高まっています。イスラエルの同盟国を含む各国は、人質解放に向けた交渉と、人道支援の拡充を伴う停戦の実現を強く求めています。
ガザでは飢餓の拡大が繰り返し警告されており、国連安全保障理事会は日曜日にガザ情勢を協議する会合を開く予定です。国際ニュースの焦点は、イスラエルの方針がどこまで軟化するのか、あるいは極右勢力の圧力を受けてさらに強硬化するのかという点に集まっています。
一方、ネタニヤフ首相は批判に屈しない姿勢を見せています。金曜日遅くに投稿したメッセージでは「私たちはガザを占領するのではなく、ハマスからガザを解放する」と強調し、作戦の正当性を改めて主張しました。政権内部や軍上層部に不満や異論があるとの観測も出ていますが、首相は路線の変更には慎重とみられます。
増え続ける犠牲とガザの人道危機
長引く戦闘の中で、ガザの市民の犠牲は増え続けています。ガザの保健当局によると、これまでに少なくとも6万1430人のパレスチナ人が死亡しており、国連もこの数字を信頼できるものだとしています。
ガザの民間防衛当局は、日曜日だけで少なくとも27人がイスラエル軍の攻撃により死亡し、そのうち11人は支援物資の配給所付近で待っていた人々だったと明らかにしました。
一方、2023年にハマスがイスラエルを攻撃した際には、イスラエル側で1219人が死亡したとされています。これらの数字は、紛争が双方の市民に計り知れない被害をもたらしていることを示しています。
「決定的勝利」とは何か、私たちが考えたいこと
ガザをめぐる国際ニュースは、軍事的な勝敗だけでなく、人命や法の支配、地域の将来に関わる重い問いを突きつけています。イスラエルの極右勢力が求める「決定的勝利」は、具体的には何を意味するのでしょうか。また、それは人質解放や市民の安全、人道危機の悪化とどのように両立し得るのでしょうか。
私たちがニュースを追う際、次のような視点を持つことが求められているように思われます。
- 軍事作戦の目的が「ハマスの壊滅」とされたとき、その達成基準はどこに置かれるのか。
- 人質の命を守ることと、軍事的圧力を強めることは、どのように調整されるべきか。
- 国連安保理や各国政府は、停戦と人道支援をめぐる交渉でどこまで影響力を持ち得るのか。
戦場から遠く離れた場所にいる私たちにできることは限られていますが、信頼できる情報に基づいて状況を知り、さまざまな立場の声に耳を傾けることはできます。ガザとイスラエルで続く犠牲の重さを踏まえつつ、どのような道がより多くの命を守るのかを考え続けることが、国際ニュースと向き合ううえでの出発点になるのではないでしょうか。
Reference(s):
Israel far right presses Netanyahu for decisive win against Hamas
cgtn.com








