2024年の記録的猛暑と1.5度目標:地球はどこまで来たのか
2024年、地球の平均気温がこれまでにない水準に達し、各地で50度前後の猛暑や洪水、干ばつ、山火事が相次ぎました。2015年のパリ協定が掲げた1.5度目標は、2025年のいまもまだ守れるのでしょうか。
2024年、気温はどこまで上がったのか
国際ニュースとしての気候変動を見ても、2024年は特別な年として記録されています。世界気象機関(WMO)は、2015年から2024年までの10年間が観測史上もっとも暑い10年になったと報告しました。
各地では、これまで想定されてこなかったレベルの高温が現実になりました。
- フィリピンでは、5月を待たずに50度に達し、数千の学校が休校に追い込まれました。
- メキシコでは、6月に国内の過去最高と並ぶ52度を記録しました。
- エジプトでも50.9度という国内記録が生まれました。
- チャド、ガーナ、ラオスなど、他の国々でも前例のない高温が報告されています。
さらに、EUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)のデータによると、7月22日の世界平均の地表付近の気温は17.15度となり、観測史上もっとも暑い1日になりました。数字だけを見ると小さく感じられるかもしれませんが、地球全体の平均値がわずかに動くだけで、現場では50度級の猛暑として表れます。
パリ協定の1.5度目標とは何か
2015年に採択されたパリ協定は、産業革命前と比べて地球の平均気温の上昇を1.5度以内に抑えることを長期目標として掲げました。これは、気候変動による被害を可能な限り小さくするための「目安」です。
1.5度を超えると、極端な高温、豪雨、干ばつ、海面上昇などのリスクが一段と高まり、社会や経済への影響も大きくなるとされています。ただし、ここで重要なのは「長期的な平均」であり、ある1年の気温だけでパリ協定の達成・不達成が決まるわけではありません。
とはいえ、2024年のように「前例のない暑さ」が続けば、長期平均も確実に押し上げられていきます。1.5度のラインは、遠い未来の話ではなく、現実に手が届きつつある水準として意識せざるを得ない状況です。
極端な気象がもたらす現実
2024年の気候変動は、単なる気温の数字にとどまりませんでした。世界各地で、洪水、干ばつ、山火事といった極端な気象が「例外」ではなく「頻発する出来事」となりつつあります。
高温によって電力需要が急増し、停電やインフラ障害が発生する地域もあれば、干ばつで農作物の収量が落ち、食料価格や生活コストに影響が出る地域もあります。山火事は住民の避難や健康被害だけでなく、森林の喪失を通じて、さらに温暖化を進める要因にもなります。
こうした極端な気象は、気候変動がすでに「将来のリスク」から「現在進行形の現実」に変わっていることを示しています。
1.5度の敷居に近づく世界で、何が問われているか
2025年のいま振り返ると、2024年の記録的な暑さは、1.5度目標の行方を考えるうえで大きな転換点になりつつあります。目標が完全に失われたわけではありませんが、時間的な余裕は確実に小さくなっていると見てよいでしょう。
とはいえ、絶望的なストーリーだけがあるわけではありません。これから数年の選択によって、被害をどこまで抑えられるかは大きく変わります。国際ニュースとしての気候交渉だけでなく、私たちの日常や仕事の場面でも、問われていることがあります。
- 気候データやニュースを「遠い世界の話」とせず、自分ごととして理解すること
- エネルギーの使い方や移動手段など、日常の選択を少しずつ見直すこと
- 企業や自治体、国際社会がどのような対策を進めているのかを継続的にウォッチすること
2024年の猛暑と極端な気象は、1.5度という数字の意味を、より具体的な生活のイメージと結びつけて考えるきっかけを与えました。これから数年をどう過ごすかが、2030年代、2040年代の世界を左右します。ニュースをきっかけに、自分なりの視点や問いをアップデートしていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Temperature breaks records in 2024: Are we at the threshold of 1.5?
cgtn.com








