米・イラン協議に再び余地?トランプ氏「合意を望む」、イランは「公正な交渉」
米国とイランの緊張が高まる中でも、両者が「合意」を口にし始めたことが、2026年2月初旬の中東情勢を読む上での重要な手がかりになっています。
トランプ氏「合意を望む」——軍事的圧力にも言及
米国のドナルド・トランプ大統領は2月1日(現地時間)、フロリダ州マール・ア・ラーゴで記者団に対し、米国とイランが合意に到達できることを「望んでいる」と述べました。
発言の背景には、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が「米国の攻撃は地域全体の戦争を引き起こす」と警告したことがあります。トランプ氏はこの警告について「なぜそう言わないのか。もちろんそう言うだろう」と、予想の範囲だとする姿勢を見せました。
一方でトランプ氏は、イラン近海の海域に「世界で最大で最も強力な船」を展開しているとも述べ、軍事面でのプレッシャーをにじませました。米国は現在、複数の海軍戦力を中東地域に展開しており、軍事的エスカレーションへの懸念も強まっています。
イラン外相「公正で正当な交渉なら可能」——不信と条件
同じ2月1日、イランのアッバス・アラグチ外相はCNNのインタビューで、米国への根深い不信がある一方で、核合意が「達成可能」だとの見方を示しました。
アラグチ外相は、テヘランとワシントンの間で、友好国とされる地域の国々を介した間接的なメッセージ交換が「実りあるものだった」と説明。交渉が直接か間接かよりも「中身が重要だ」と述べました。
不信の理由として、米国が2015年の合意から2018年に一方的に離脱したこと、その後の動きなどを挙げています。こうした経緯が、今回の交渉再開のハードルになっている構図です。
イラン側が示した主な論点
- トランプ氏が「核兵器に反対」だとする立場には同意すると表明
- 核開発は平和目的にとどめることを保証する用意がある
- 見返りとして、長年の制裁解除と、国際的枠組みの下でのウラン濃縮継続の権利尊重を求める
「話を広げないでほしい」——ミサイルや地域問題は別だという線引き
アラグチ外相は、交渉対象を核問題以外(ミサイル計画や、地域の武装勢力支援など)へ拡大する動きに否定的な姿勢を示し、「不可能なことを話し合わないように」と述べました。焦点はあくまで核合意に置くべきだ、という主張です。
同時に「公正で平等な合意」に向けた「狭い窓」を逃すべきではないとも語り、時間的な制約を意識させる言い回しも目立ちました。
軍事衝突への警告——「より厳しく断固とした対応」
アラグチ外相は、軍事シナリオにも備えているとした上で、米国が攻撃に踏み切れば、昨年の「12日間の紛争」よりも「より厳しく断固とした」対応を取る可能性を示唆しました。米軍基地が点在する地域全体に影響が広がり、「誰にとっても災害になる」とも警告しています。
ホワイトハウス側は、トランプ氏がイランへの軍事攻撃を最終決定しておらず、外交的解決にも開かれているとしています。一方で、イラン最高指導者がワシントンに受け入れ可能な合意を外交チームに許可するかどうかは不透明だ、とも述べています。
仲介外交が動く:アンカラでの会談調整が浮上
中国メディアグループ(CMG)は2月1日、米国側情報筋として、トランプ政権が複数の経路で「協議と合意交渉の用意がある」とイランに伝えていると報じました。
その流れの中で、トルコ、エジプト、カタールが、トルコのアンカラで米国のスティーブ・ウィトコフ特使とイラン高官の会談を実現させる方向で調整している、との情報も伝えられています。これら3カ国は、ガザ地区の停戦仲介で協力した経緯もあるとされ、今回は地域戦争の回避に向けた対話の場づくりが焦点になります。
背景:合意崩壊から「凍結」までの流れ
現在の対立は、核合意の崩れと、その後の交渉の停滞が積み重なったものです。本文で触れられた経緯は次の通りです。
- 2015年:イラン核合意
- 2018年:米国が合意から一方的に離脱し、制裁を再発動
- 2025年4月以降:合意復活と制裁解除をめぐり、米・イランが間接協議を5回実施
- 2025年6月15日:予定されていた6回目の協議は、イスラエルの攻撃を受け中止
- 2025年6月13日〜6月24日:イスラエルとイランの「12日間の直接衝突」。この期間に米国がイラン核施設を爆撃し、交渉は事実上停止
2026年2月初旬の時点で、外交は凍結状態に近い一方、米国・イラン双方が「戦争より合意が望ましい」と公の場で言葉を重ねているのも事実です。軍事的な圧力と、仲介による対話の糸口が同時に走る——その並走が、いまの局面の特徴と言えそうです。
Reference(s):
Trump 'hopeful' for a deal, Iran says open to 'fair and just' talks
cgtn.com








