米国の初めての住宅購入者、中央値年齢40歳に上昇 video poster
アメリカで初めて住宅を購入する人の年齢がこれまでになく高くなっています。新たなデータによると、初めての住宅購入者の中央値年齢は40歳に達し、若い世代にとって持ち家がこれまで以上に遠い目標になりつつあることが浮き彫りになりました。
初めての住宅購入者、中央値40歳という「新常態」
今回示されたデータでは、アメリカの初めての住宅購入者の中央値年齢が40歳と、過去最高の水準に達しています。これは、20代や30代前半で家を買うというこれまでのイメージが、現実とはかなり離れつつあることを意味します。
背景には、住宅価格の高止まりや、住宅ローン金利の上昇、売りに出される物件の少なさなど、複数の要因が重なっているとされています。その結果、若い世代が頭金を貯めるまでに必要な時間が長くなり、購入のタイミングが後ろ倒しになっているのです。
なぜ若い世代の持ち家が難しくなっているのか
1. 高水準の住宅価格
アメリカの多くの都市では、住宅価格が高い水準で推移しています。収入が増えても、その伸びが住宅価格の上昇に追いつかず、特に初めて購入する人にとっては「そもそも手が届く物件が少ない」という状況が続いています。
頭金としてまとまった金額が求められるため、毎月の家賃を払いながら貯金を増やすことは容易ではありません。結果として、「買えるレベルまで貯まる頃には40代に入っている」というケースが増えているとみられます。
2. 住宅ローン金利の上昇
住宅ローン金利の上昇も、初めての住宅購入者を追い詰める要因になっています。金利が高くなると、同じ価格の家を買っても月々の返済額が増えます。そのため、買える価格帯の物件がさらに限られてしまい、購入を先送りせざるを得ない人が増えています。
3. 限られた物件在庫
売りに出される住宅の数が少ないことも、価格の高止まりと競争の激化につながっています。希望するエリアで手頃な物件が見つからず、何度も入札に敗れるうちに、年齢だけが重なっていく——そんな状況に置かれている若い世代も少なくありません。
「一人では買えない」支え合う購入スタイル
こうした厳しい環境のなかで、多くの人がパートナーや親、友人などの支えを得てようやく家を購入していると伝えられています。
具体的には、次のようなパターンが目立ちます。
- パートナーと二人分の収入を合算してローン審査に臨む
- 親が頭金の一部または全額を援助する
- 友人同士で共同購入し、持ち分を分け合う
かつては「一人前になった証」として自力で持ち家を手に入れるというイメージが強くありましたが、今のアメリカでは、家族や周囲のサポートを前提にしないと購入が難しい現実が広がっています。
シアトルから見える現場の感覚
今回の動きは、アメリカ西海岸の都市シアトルからの取材を通じても伝えられています。Roza Kazan記者は現地から、住宅市場の厳しさに直面する若い世代の声を伝えています。
仕事もあり、生活の利便性も高い都市部では、家賃も住宅価格も高くなりがちです。そのため、「家を買うか、それとも賃貸を続けるか」という選択は、単なるマイホームの話を超え、人生設計そのものに関わる大きなテーマになっています。
日本の読者にとっての問いかけ
今回の「初めての住宅購入者の年齢が40歳」というニュースは、日本の読者にとっても他人事ではないテーマかもしれません。
・「家は若いうちに買うもの」という前提は、本当に今の時代にも当てはまるのか
・持ち家か賃貸かという二者択一ではなく、自分の働き方やライフスタイルに合った住まい方とは何か
アメリカの住宅市場で起きている変化は、「いい家を買うこと」よりも、「無理のない暮らし方をどう選ぶか」という発想への転換を、さりげなく私たちに問いかけているとも言えます。
若い世代の持ち家が遠のくアメリカの現状は、グローバルな経済環境や金利動向が、個人の人生のタイミングにまで影響を与えていることを示す一つの象徴的な事例と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








