プーチン氏「投降なら生命保証」 クルスク州のウクライナ兵めぐり発言
プーチン氏「投降なら生命保証」 ロシア西部クルスク州のウクライナ兵に
ロシアのプーチン大統領が、ロシア西部クルスク州にいるウクライナ兵について、武器を捨てて投降すれば「生命と尊厳ある扱い」を保証すると表明しました。米国のトランプ大統領も事態に言及しており、長期化する戦争の行方を左右しかねない発言として注目されています。
「武器を捨てれば生命保証」 国際法順守を強調
ロシアメディアによりますと、プーチン大統領は現地時間の金曜日、ロシア安全保障会議の会合で発言しました。
クルスク州に展開しているウクライナ兵について、プーチン氏は「もし彼らが武器を捨てて投降すれば、国際法およびロシア連邦の法律に従い、生命と尊厳ある扱いが保証される」と述べ、投降者の安全を約束するとしています。
ここで言う国際法は、戦時下の捕虜の扱いなどについて定めた国際的なルールを指します。プーチン氏は、その枠組みに沿った対応を行うと強調することで、国内外に向けて「投降は命を守る選択だ」と訴えている形です。
トランプ氏「戦争終結の大きなチャンス」 プーチン氏と協議と説明
一方、米国のトランプ大統領は同じく金曜日、自身の政権が前日にプーチン大統領と「非常に良く生産的な協議」を行ったと述べました。長引くロシアとウクライナの戦争について、「この恐ろしく血にまみれた戦争がついに終わる非常に良いチャンスがある」とも発言しています。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、現在「数千人のウクライナ兵がロシア軍に包囲されている」と主張。そのうえで、プーチン氏に対し、彼らの命を救うよう求めたと明らかにしました。
これに対しプーチン氏は、トランプ氏の呼びかけに応じるためには、ウクライナ側の指導部が部隊に投降を命じる必要があると指摘しています。米ロのトップ同士のやり取りが前線の兵士の運命にどう影響するのか、今後の焦点となります。
ウクライナ側は「包囲」を否定 食い違う認識
こうした中、ウクライナ軍総司令部は金曜日の早い時間帯に出した声明で、ロシア西部クルスク州でウクライナ部隊が包囲されているとの報道を否定しました。
一方で、ロシア側やトランプ氏は「数千人が包囲されている」との見方を示しています。戦時下では、前線の状況をめぐる情報が一方的・断片的になりがちで、当事者の発表が食い違うことも少なくありません。今回も、現地の正確な状況をめぐって認識が大きく分かれています。
クルスク州への攻勢とロシアの反撃
ウクライナ軍は8月、ロシア西部のクルスク州に攻勢を開始し、およそ1300平方キロの領土を掌握したとされています。その後、ここ数週間でロシア軍の反撃が激しさを増しており、クルスク州に展開するウクライナ部隊の状況は急速に悪化しているとも伝えられています。
前線で劣勢に立たされているとされる中で、プーチン氏が「投降すれば生命を保証する」と公に述べたことは、ウクライナ兵に対する心理的な圧力であると同時に、戦線を崩すことを狙ったメッセージとも受け取れます。
戦争終結への道筋か、それとも新たな駆け引きか
今回の発言が、戦争の局面転換につながるのか、それとも交渉や情報戦の一環にとどまるのかは、現時点では見通せません。
- ウクライナの指導部が投降命令を出すのか
- ロシア側が投降者の安全と「尊厳ある扱い」をどこまで保証するのか
- 米国を含む各国が、今回のやり取りをどう評価し、今後の外交に生かすのか
クルスク州での戦況がどう動くかは、戦場だけでなく、ロシア、米国、ウクライナそれぞれの政治判断にも左右されます。戦争が続く中で前線の兵士の命をどう守るのか――今回のやり取りは、その重い問いを、あらためて国際社会に突きつけています。
Reference(s):
Putin offers Ukrainian soldiers guarantee of life if they surrender
cgtn.com








