APEC 2024ペルー:フォーラム「At the Edge of Tomorrow」が示した課題 video poster
ペルーで開かれたAPEC 2024、その裏側にある問い
アジア太平洋経済協力会議(APEC)の2024年の舞台となったペルーで、APEC Economic Leaders Week(APEC指導者会合の週)が開かれました。世界の国内総生産(GDP)の約3分の2、貿易の約半分を占めるAPECメンバーが集まるこの場で、世界とアジア太平洋のこれからを見つめるフォーラム「At the Edge of Tomorrow」が実施されています。
このフォーラムは、中国の国際メディアCGTNのTian Wei氏がモデレーターを務め、PwCグローバル会長のMohamed Kande氏、APEC事務局エグゼクティブ・ディレクターのRebecca Sta Maria氏、Allen & Co.マネージング・ディレクターのLuis Alberto Moreno氏が意見を交わしました。世界の現状と、私たちの時代を特徴づける課題に焦点を当てた議論です。
「At the Edge of Tomorrow」が映す世界のいま
フォーラムの紹介文によれば、議論の中心にあるのは世界の現在地と、私たちの時代を定義する課題です。パンデミック後も不透明さが続く国際秩序の中で、アジア太平洋の経済フォーラムであるAPECが、どのように役割を果たすのかが問われています。
こうしたテーマからは、次のような論点が浮かび上がります。
- サプライチェーン(供給網)の再構築と、安定した貿易環境づくり
- 持続可能な成長と気候変動対策をどう両立させるか
- デジタル格差を縮めつつ、イノベーションを地域全体に広げる方法
- 社会の分断を深めない包摂的な成長をどう実現するか
APEC 2024ペルーでの議論は、これらの課題に正面から向き合うための視点を提供する試みだと言えるでしょう。
3人の登壇者が象徴する、ビジネスと地域協力の視点
今回のフォーラムに登場した3人のゲストは、それぞれ異なる立場から世界とアジア太平洋を見ています。その組み合わせ自体が、いま求められている対話のかたちを象徴しています。
グローバル企業の視点:Mohamed Kande氏(PwC)
PwCグローバル会長のMohamed Kande氏は、多国籍企業や各国政府と幅広く関わる立場から、ビジネスと社会の変化を見つめていると考えられます。企業がデジタル化や脱炭素といった大きな転換にどう対応し、人材や地域社会とどのように向き合うのかは、APECメンバーに共通する関心事です。
地域協力の視点:Rebecca Sta Maria氏(APEC事務局)
APEC事務局のエグゼクティブ・ディレクターであるRebecca Sta Maria氏は、アジア太平洋の幅広いメンバーが参加する協力枠組みを日常的に運営する立場にあります。貿易や投資のルールづくりだけでなく、中小企業支援や人材交流といった人のつながりをどう強めるかも、APECにとって重要なテーマです。
投資と新興市場の視点:Luis Alberto Moreno氏(Allen & Co.)
投資銀行Allen & Co.のマネージング・ディレクターであるLuis Alberto Moreno氏は、資本市場と新興経済のダイナミクスを読み解く立場から発言したと見られます。資金の流れは、政治や規制環境の変化に敏感に反応します。アジア太平洋の成長ポテンシャルをどう引き出すかという視点は、ビジネスにも政策にも共通する課題です。
アジア太平洋のコア課題をどう捉えるか
フォーラムの紹介文では、APECがアジア太平洋地域のコア課題にどう向き合うかが問われています。経済成長のエンジンでもあるこの地域には、次のような特徴があります。
- 成長率が高い一方で、格差や不安定な雇用が残る
- エネルギー需要が拡大し、環境負荷とのバランスが課題になる
- 地理的にも文化的にも多様で、共通ルールづくりが難しい
こうした現実を前に、国や地域、企業、市民社会が対話を重ねる場としてのAPECの役割は小さくありません。ペルーで開催された「At the Edge of Tomorrow」は、その一つの具体的な試みと位置づけられます。
2024年の議論を2025年の私たちの視点に
「At the Edge of Tomorrow」での対話は、2024年11月15日夜(北京時間)にCGTNで放送されました。新しい政策や目立った合意だけでなく、異なる立場の人びとがどのような問題意識を共有しようとしているのかに注目すると、議論の意味がより立体的に見えてきます。
2025年のいま、私たちがAPEC関連のニュースや国際経済の動きを追う際には、次のような視点を意識してみるとよいかもしれません。
- 単なる成長率ではなく、その裏側にある社会や環境への影響に目を向ける
- 企業の戦略だけでなく、地域や中小企業、労働者への波及を考える
- 一つの国や地域の利益ではなく、アジア太平洋全体の安定と協力の枠組みを意識する
ペルーでのAPEC 2024と「At the Edge of Tomorrow」の議論は、世界が不確実性の時代にあるからこそ、対話と協力の重要性を改めて示したと言えます。日々のニュースを読み解く際の一つの手がかりとして、こうした国際フォーラムの動きに注目しておきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








