水上に舞う火の壺:中国山西省でフライボードと伝統芸能が融合 video poster
2025年のメーデー連休中、中国山西省沢州県のTai Chi Lakeでは、最新のウォーターパフォーマンスと明・清代から続く伝統芸能が出会う幻想的なショー Flying Fire Pots on Water が観光客を魅了しました。水面から飛び上がるフライボードと古くからの火の壺の技が融合したこの演目は、中国の「いま」と「昔」を一度に感じさせてくれます。
メーデー連休を沸かせた水上ショー
この国際ニュースで取り上げられたパフォーマンスが行われたのは、周囲の明かりが落とされた、ほぼ真っ暗な湖上です。暗闇の中で、フライボードのダイナミックな動きと火の壺から放たれる炎の光が重なり合い、水面に幻想的な軌跡を描きます。
こうした演出は、観客の視線を一点に集め、日常とは切り離された特別な時間を生み出します。同時に、水の上でバランスを取りながら炎を扱うためには、高度な技術と集中力が求められます。まさに「息をのむような光景」という表現がふさわしいパフォーマンスです。
フライボードと火の壺、現代と伝統の出会い
Flying Fire Pots on Water の特徴は、現代的なフライボードと、何百年も受け継がれてきた火の壺の芸が、一つのステージで共演している点にあります。水面から空中へと舞い上がるフライボードの動きに、火の軌跡が重なることで、観客はこれまでにない視覚体験を味わうことができます。
一方で、火の壺の芸は、明・清代(1368〜1911年)にまでさかのぼる歴史を持ちます。当時、この火の壺のショーは、邪気を払い、平安と無事を祈るための人気の儀式として行われてきました。炎を使った祈りのかたちが、時代を超えて現代のパフォーマンスに受け継がれているとも言えます。
儀式からエンターテインメントへ、それでも残る「祈り」
もともと火の壺の芸は、宗教的・社会的な意味合いを持つ儀式として発展してきました。邪気を遠ざけ、地域の人びとの安全や平和を願う行為が、視覚的に印象的な炎のパフォーマンスと結びついていたのです。
今回のように水上ショーとして再構成された火の壺の芸は、観光客向けのエンターテインメントとしての側面が強くなっていますが、その背景には「災いがなく、平穏であってほしい」という人びとの願いが、静かに息づいているようにも感じられます。形式は変わっても、根底にある祈りの感情は連続しているのかもしれません。
観光で出会う伝統文化をどう受け止めるか
スマートフォンで簡単に撮影し、SNSで共有できる時代だからこそ、こうした水上ショーに出会ったとき、私たちはどこまでその背景にある物語を想像できるでしょうか。華やかな光景の裏には、長い時間をかけて受け継がれてきた習俗や信仰が隠れています。
Flying Fire Pots on Water は、その意味で「古い祈り」と「新しい技術」が出会う象徴的な場面とも言えます。写真や動画だけでなく、その土地の歴史や人びとの願いに思いを巡らせてみると、国際ニュースとしての一つの出来事が、より立体的に見えてきます。
日々のニュースの中で、こうした文化的な背景を意識して読み解いてみることは、自分自身の世界の見え方を少しずつ広げてくれるはずです。
Reference(s):
A dazzling visual feast: When flyboarding meets ancient fire pots
cgtn.com








