米最高裁がトランプ氏の広範関税を違法判断 関税高止まりでも貿易赤字は過去最大 video poster
米国の関税率が「約80年ぶりの高水準」に達する一方で、2025年のモノの貿易赤字は1.24兆ドルと過去最大に拡大しました。さらに2026年2月20日(現地時間)、米連邦最高裁が、国家緊急事態を根拠に課されたトランプ氏の広範な関税を「違法」として退け、関税政策の前提そのものが揺れています。
何が起きた?米連邦最高裁の判断
米連邦最高裁は20日、国家緊急事態に関する法律を根拠として導入されたトランプ氏の広範な関税について、違法と判断しました。関税は「国内産業を守る」政策の象徴になりやすい一方で、今回は「その掛け方(法的根拠)」が問われた形です。
関税は高水準でも、2025年の貿易赤字は過去最大
入力情報によれば、米国の関税率は現在、約80年で最も高い水準まで上昇しています。しかし結果として、2025年の米国のモノの貿易赤字は1.24兆ドルに達し、過去最高を記録しました。
さらに、高関税にもかかわらず、製造業や雇用が米国へ大きく回帰したとは言いにくい状況だとされています。「関税を上げれば赤字が減る」という直感が、数字の上ではきれいに当てはまっていない点が、このニュースの核心です。
それでも赤字が減らないのはなぜ?見えにくい“構造”
関税は輸入品の価格に影響を与えますが、貿易赤字(輸入−輸出)はそれだけで決まらない面があります。今回の数字が示すのは、関税よりも大きい「構造の力」が動いている可能性です。
1) 輸入が減りにくい:生活と企業活動の“必要量”
関税で一部の輸入品が高くなっても、代替がすぐに見つからない部材・製品は買い続けざるを得ません。家計の消費行動や企業の調達は、短期では急に変えにくいことがあります。
2) 「どこで作るか」より先に「どう回すか」:サプライチェーンの現実
製造業の国内回帰は、工場さえ建てれば進むものではありません。部品供給、熟練人材、物流、規模、コストなどが絡み、切り替えには時間がかかります。結果として、調達先が“国内”に戻るのではなく、“別の海外”へ移るだけになることもあります。
3) 雇用は「関税」だけで戻らない:投資判断は複数要因
雇用や生産拠点の移転は、企業にとって長期の投資判断です。関税の先行きが読みにくい局面では、企業が大規模投資に踏み切りにくくなることも考えられます。今回の最高裁判断は、まさに「ルールの安定性」という論点を浮かび上がらせました。
今後の焦点:関税の“効果”ではなく“設計”が問われる
今回の判断を受け、米国の通商政策は「関税を上げるかどうか」だけでなく、
- どの法的根拠で
- どの範囲に
- どの期間で
- 産業政策や雇用政策とどう組み合わせるのか
といった設計が改めて焦点になりそうです。関税はわかりやすい政策手段である一方、貿易赤字や製造業回帰といった目標は、より複雑な要因で動く――2025年の過去最大赤字は、その現実を静かに示しています。
Reference(s):
cgtn.com








