中国本土・貴州でレモン香る新種植物「Neocinnamomum citratum」発見
中国本土の貴州省で、レモンのような強い香りを放つ新種植物が見つかりました。香りだけでなく形態的な特徴も既知種と異なるとして、植物多様性の記録を更新する発見として注目されています。
レモンの香りが決め手に:新種「Neocinnamomum citratum」
新種として報告されたのは、Neocinnamomum citratum(ネオシナモマム・シトラタム)。中国本土・貴州省南西部にある興義(Xingyi)グローバルジオパーク内の石灰岩の山地で確認されました。
研究チームによると、この植物は強いレモン様の芳香を放ち、当初はレモンの木だと誤認されるほどだったといいます。香りに加え、形態的特徴(見た目の構造上の違い)も既知の種と区別できる点が、新種認定の根拠になりました。
どこに生える?生育環境と確認された個体数
Neocinnamomum citratumは、標高1,000〜1,300メートルの常緑樹林に生育するとされます。現地調査では、5カ所で100個体以上が確認されました。
- 生育地:興義グローバルジオパーク内の石灰岩山地
- 植生:常緑樹林
- 標高:1,000〜1,300m
- 確認:5地点で100個体以上
「昔から香辛料に」—村人の利用が示す可能性
興味深いのは、地元住民が葉や枝を香辛料として採取してきたという点です。研究者は、こうした利用実態から、今後は食品の風味づけなど別の応用可能性も考えられるとしています。
ただし、利用拡大が話題になる一方で、野生個体の採取圧が高まれば生育地に負荷がかかる可能性もあります。今後は、香り成分の評価や栽培の可否など、研究と保全の両面での整理が焦点になりそうです。
発表は国際誌「PhytoKeys」:多様性の記録をどう更新するか
この発見は、貴州省の黔西南(Qianxinan)にある農業・林業科学系の研究者らによって行われ、国際的な植物分類学の学術誌「PhytoKeys」の最新号で公表されました。
新種の記載(学術的に種として確定し、名称と特徴を整理して公開すること)は、地域の生物相を「思い込み」ではなく「記録」に変えていく作業でもあります。今回の報告は、中国本土の植物多様性記録を豊かにする成果として位置づけられています。
ジオパークの背景:2024年にUNESCOネットワーク入り
興義グローバルジオパークは、三畳紀の化石群とカルスト地形などで知られ、2024年3月にUNESCOのグローバル・ジオパーク・ネットワークに加わったとされています。今回の新種発見は、地質学的価値だけでなく、生態学的にも固有性が高い場所であることを印象づける出来事になりました。
Reference(s):
New plant species with lemon fragrance discovered in China's Guizhou
cgtn.com








