ART SG 2026で「古典×現代」対話 伝統美学を新しい表現へ
シンガポールで開催中のアートフェア「ART SG 2026」で、CGTNが特別対話「When Classics Inspire(古典がインスピレーションになるとき)」を開催しました。前日に発表されたCGTNアートシリーズ最新シーズン「China Crafted」とあわせ、伝統美学が現代アートの中でどう読み替えられているのかが議論の中心になりました。
何があった?──ART SG 2026の会場で特別対話
対話が行われたのは土曜日。前日に「China Crafted」のローンチがあり、会場では同シリーズの過去3シーズンをキュレーションした展示も併設されました。番組(シリーズ)と展示、そしてトークを一体で見せる構成が特徴です。
登壇者:アートフェア、教育、ミュージアムの視点が交差
登壇者は次の4人です。
- Magnus Renfrew氏(ART SG共同創設者)
- Tan-Soh Wai Lan氏(南洋芸術学院=Nanyang Academy of Fine Arts 学長)
- Seng Yu Jin氏(ナショナル・ギャラリー・シンガポール 展示・研究・キュレーション部門ディレクター)
- Dr. Kevin Lam氏(アジア文明博物館 中国美術部門 シニアキュレーター)
議論の焦点:伝統美学は「保存」ではなく「再解釈」へ
対話では、歴史的な美意識が、現代アートや教育、そして国際的な文化対話の中で引き続き参照されている点が語られました。キーワードは「再解釈」です。
1) 現代アートが古典をどう“読み替える”のか
伝統的な美学は過去の遺産として固定されるのではなく、現代の作家や鑑賞者の文脈に合わせて再編集され、別の意味を帯びる──そうした見方が共有されました。
2) デジタル展示と新しいストーリーテリング
議論は、デジタル展示や新しい物語の語り方(ストーリーテリング)が、古典の要素を現代の鑑賞体験へつなぐ回路になり得る、という点にも及びました。
3) 教育とグローバルな文化会話の中での「古典」
歴史的な美意識が、教育の現場や国境を越えた文化的な会話の中で参照され続けていることも話題になりました。古典は“過去”で完結せず、現在の問いを立ち上げる素材として扱われている、という整理です。
「China Crafted」とCGTNアートシリーズ:最新シーズンと過去3作の展示
「China Crafted」はCGTNアートシリーズの最新シーズンとして紹介され、会場では過去3シーズンの内容をキュレーションした展示も並行して展開されました。主催者側の説明によれば、「China Crafted」は専門家から幅広い評価を受けているといいます。
ART SG 2026の場で交わされたのは、伝統と現代を対立させる議論というより、古典が現代の表現や鑑賞の方法に“どう翻訳されていくのか”を丁寧に追う対話でした。デジタル表現が当たり前になった2026年のいま、古典がどんな形で更新されていくのか──今後の展示や作品発表にもつながる論点として注目されそうです。
Reference(s):
CGTN dialogue explores traditional aesthetics in contemporary art
cgtn.com







