中国ショート動画大会第2シーズン 産業とクリエイターをつなぐ新潮流
中国のショート動画市場を象徴する大型番組「China Short Video Conference」第2シーズンが、2025年10月にスタートしました。ショート動画と産業を結び付け、中国経済に新たな活力をもたらそうとしています。
中国ショート動画大会・第2シーズンの概要
China Short Video Conference 第2シーズンは、中国メディアグループ(CMG)、中国共産党浙江省委員会宣伝部、杭州市政府が共同で立ち上げた季節性の大型統合メディア番組です。2025年10月12日に初回が放送され、現在もシーズンを通じて継続しています。
番組は毎週日曜と月曜の21時から、CMGのチャンネルであるCCTV-3や、動画プラットフォームの央视频(Yangshipin)、CCTV.comで放送されています。テレビとオンラインをまたぐ統合メディアによって、幅広い視聴者にショート動画の最新トレンドを届けています。
テーマは「ショート動画がつなぐ数千の産業」
今シーズンのテーマは「ショート動画がつなぐ数千の産業」です。公募と専門家による審査を通じて選ばれた32組の「年度栄誉クリエイター」が参加し、それぞれの分野で生まれたショート動画の可能性を披露します。
番組には、ショート動画や産業政策に詳しい専門家や業界のリーダーも登場し、短い動画コンテンツをどのように産業界と結び付け、新たなビジネスや価値創造につなげていくかを議論します。単なるエンタメ番組ではなく、「産業×ショート動画」の実験の場という位置づけです。
AI、音楽、食…広がるショート動画の表現
中国のショート動画市場は、技術革新と視聴者ニーズの変化に後押しされながら成長を続けています。番組が取り上げるクリエイターの事例からは、その多様化がはっきりと見えてきます。
- AIを使って未来社会を描いたり、知識を分かりやすく伝えたりするクリエイター
- 音楽やサウンドを軸に、日常の瞬間を切り取りつつ、無形文化遺産の魅力を発信するクリエイター
- 各地の食を通じて中国各地の美しい風景を紹介し、豊かな自然や文化的な背景を映し出すクリエイター
これらの作品は、科学コミュニケーション、文化、グルメといった従来のカテゴリを軽々とまたぎながら、ショート動画というフォーマットに深みと意味を与えています。視聴者は「学び」「癒やし」「観光」といった複数の体験を同時に得ることができます。
杭州「中国のショート動画の都市」への布石
番組は、開催地である杭州のブランド力を高める役割も担っています。運営側は、杭州を「中国のショート動画の都市」としてアピールし、新たな高品質の生産力を育て、中国経済全体の成長を後押しすることを目指しています。
ショート動画を、観光や製造業、サービス業などさまざまな産業と結び付けることで、企業や地域の魅力を分かりやすく伝え、新しいビジネスチャンスを生み出そうとする動きです。メディア、行政、都市が一体となってコンテンツ産業を育てるという点で、地域戦略としても注目できます。
日本の視聴者・企業にとっての示唆
日本でもショート動画はすでに日常の情報インフラになりつつありますが、中国ではそれを産業政策や都市ブランドと結び付けて推進する動きが見られます。China Short Video Conference 第2シーズンは、その一端を知る窓口と言えるでしょう。
行政とメディアが連携し、クリエイターや企業を巻き込んで「短い動画」を経済成長のエンジンとして活用しようとする試みは、日本の地方都市や企業にとっても参考になり得ます。どのように物語を紡ぎ、どのような価値を伝えれば、人や産業を動かせるのか。番組を追うことで、そんな問いを自分ごととして考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








