中国本土、介護サービスを拡充へ 高齢者向け「サービス券」配布と5年計画
中国本土で進む高齢化への対応として、介護(高齢者ケア)サービスを「広げる・質を上げる・効率を高める」方針が、2026年3月7日(土)に改めて示されました。
何が発表されたのか(2026年3月7日)
中国本土の陸志遠・民政部長は7日、第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の会期中に開かれた民生に関する記者会見で、人口の高齢化に積極的に対応するため、既存の政策・措置を改善し、実施をさらに進める考えを述べました。
数字で見る現状:都市・農村をまたぐ「ワンストップ」網
陸部長によると、中国本土では都市部と農村部の双方をカバーする「ワンストップ」の高齢者ケアサービス網が「初歩的に」整ってきたといいます。具体例として、以下の整備状況が示されました。
- 高齢者向けの食事支援拠点:約8万か所
- 在宅(ホームベース)ケア用ベッド:約49万5,000床
- 特別な困難を抱える高齢者がいる世帯向けに、バリアフリー等の住環境改修:224万世帯
今年(2026年)始めるとした「高齢者ケア・サービス券」
陸部長は、中等度または重度の機能障害がある高齢者に対して、高齢者ケアのサービス券を今年付与すると述べました。
一般に「サービス券」は、現金給付とは異なり、対象者が一定のサービスを利用しやすくするための仕組みとして運用されることがあります。今回の発言は、支援が必要な人にサービスをつなげる設計を強める意図が読み取れます。
今後5年の重点:県・郷鎮・村の「三層ネットワーク」へ
陸部長は「今後5年」で、中国本土の各地で県(カウンティ)・郷鎮(タウンシップ)・村(ビレッジ)の3段階からなる高齢者ケアサービス網の整備を目指すと説明しました。あわせて、次の取り組みを進める考えも示されています。
- 介護施設の設備更新(アップグレード)の推進
- 介護従事者に対する専門的な研修・訓練の強化
- 高齢者ケア技術の発展(テクノロジー活用を含む趣旨)
静かな焦点は「量」だけではない
拠点やベッド、住環境改修といった“見える整備”が進む一方で、実際の暮らしにとっては、サービスの質・担い手・地域差が同時に問われやすいテーマでもあります。設備更新や人材育成、技術開発を並行して掲げた点は、供給量の拡大だけでなく、利用体験の改善も視野に入れていることを示す構図です。
高齢化が進む社会では、支援の設計が「誰に、どの程度、どんな形で届くか」によって、家族の負担感や地域コミュニティのあり方も変わっていきます。今回の方針が、現場でどのように具体化していくのかが次の注目点になりそうです。
Reference(s):
China to boost expansion, quality of elderly care, says minister
cgtn.com








