中国の労働支援事業で245万人雇用 低所得層の仕事と賃金を拡大
中国で進められている労働支援プログラムが、2024年1〜9月の間に低所得層を中心に約245万人分の雇用を生み出し、賃金支払い総額は310億元に達しました。中国経済の雇用対策と農村部支援がどのように結びついているのかを、日本語で整理します。
中国の労働支援プログラムとは
中国の国家発展改革委員会によると、労働支援プログラムは、地方政府が実施する雇用創出策です。重点プロジェクトや農業・農村インフラ整備の現場で、できるだけ多くの仕事を必要とする人に割り当てることで、雇用を増やす狙いがあります。
対象となるのは、主に次のような人たちです。
- すでに貧困状態から脱却した農村部の住民
- 再び貧困に戻るリスクが高い人
- 都市部で働いていたものの、故郷に戻った出稼ぎ労働者
公共事業と雇用支援を組み合わせることで、生活に困難を抱える人たちの収入を底上げすることが意識されているといえます。
2024年1〜9月に245万人の雇用を創出
国家発展改革委員会の発表によると、こうした労働支援プログラムは、2024年の第1〜第3四半期にかけて大きな成果を上げました。
- 創出された雇用の数:245万人分(前年同期比30.2パーセント増)
- 支払われた賃金総額:310億元(約43億5000万ドル、前年同期比22.7パーセント増)
雇用の人数だけでなく、支払われた賃金も2桁台の伸びとなっており、低所得層の現金収入を押し上げる効果が出ていることがうかがえます。2025年から振り返ると、2024年の中国経済における雇用安定策の一つの柱になっていたと言えるでしょう。
地方プロジェクトと雇用を結びつける仕組み
労働支援プログラムは、地方政府が進めるさまざまなプロジェクトと密接に結びついています。
- 道路や水利などの農村インフラ整備
- 農業関連の基盤づくり
- その他の重点プロジェクト
これらの事業を進める際、できるだけ地元の低所得者や農村部の住民に仕事を割り当てることで、公共投資が地域の雇用と所得に直結しやすくなります。単なる建設事業ではなく、雇用政策としても機能させている点が特徴です。
狙いは再貧困の防止と所得向上
今回の国際ニュースのポイントは、労働支援プログラムが単なる景気対策にとどまらず、貧困対策とも強く結びついていることです。
中国では、貧困線以下の生活から抜け出した人が、何らかのきっかけで再び貧困に陥ることが課題とされています。労働支援プログラムは、こうしたリスクを抱える人に仕事と賃金を提供し、再貧困を防ぐ役割を担っています。
また、都市から故郷に戻った人にとっては、地元で収入のある仕事を得られるかどうかが生活再建の鍵になります。インフラ整備などのプロジェクトに参加できれば、家族と離れずに働けるという利点も生まれます。
国家発展改革委員会の今後の方針
国家発展改革委員会は、今後も労働支援プログラムの役割を十分に発揮させ、低所得層の雇用と所得の向上につなげていく姿勢を示しています。
具体的には、これまで同様、地方政府による重点プロジェクトや農村インフラ事業の中で、仕事を必要とする人を優先的に雇用する仕組みを維持・強化していくとみられます。2025年以降も、中国の雇用政策や農村振興策を語るうえで、こうした労働支援の枠組みは重要なキーワードになりそうです。
日本の読者が押さえておきたい視点
日本語で国際ニュースを追う読者にとって、この動きから考えられるポイントをいくつか整理してみます。
- 公共投資を、どのように生活に困難を抱える人たちの雇用創出と結びつけるか
- 雇用の「数」だけでなく、どの層の所得が実際に増えているのかにどう目を向けるか
- 都市と地方、農村と都市の格差を縮めるうえで、仕事の場をどこに、どのように増やすか
中国の労働支援プログラムは、農村部や低所得層に焦点を当てた雇用政策の一例として、今後も国際ニュースの文脈で取り上げられていきそうです。日本や他の国や地域での雇用・地域政策を考える際にも、参考材料の一つになるかもしれません。
Reference(s):
China creates 2.45 million jobs through work-relief programs
cgtn.com








