TÜVラインランドCEOが語る中国展開とEUのEV関税、サステナビリティ video poster
ドイツの試験・認証機関、TÜVラインランドは、中国で35年以上事業を続けてきた老舗プレーヤーです。2025年現在、同社は中国南部のグレーターベイエリアでのプレゼンス拡大を打ち出し、広東省深セン市への投資を加速させています。最近、CEOのミヒャエル・フュービ氏は中国の国際メディアCGTNのインタビューで、中国展開の戦略、欧州連合(EU)の中国製EVへの関税、そしてサステナビリティへの長年の取り組みについて語りました。
35年以上続く中国での事業とグレーターベイエリア戦略
TÜVラインランドは、試験・認証・検査などを行う第三者機関として、中国で35年以上ビジネスを展開してきました。長期にわたって事業を維持・拡大しているという事実自体が、中国市場の重要性と安定した需要を物語っています。
同社が今、特に力を入れているのが、中国南部のグレーターベイエリアです。広東省と香港、マカオにまたがるこの湾岸都市圏は、ハイテク産業やスタートアップが集積する地域として注目を集めています。フュービCEOのインタビューでは、このエリアでのプレゼンス拡大が、グローバル企業としての次の一手として位置づけられていることが示されました。
深セン投資の狙い:テックハブの「現場」に近づく
深センは、電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、通信機器、スマート家電など、幅広い分野の企業が集まるテックハブとして知られています。こうした企業にとって、製品を世界市場に出すには、安全性や環境性能などを第三者機関によって検証し、各国の規格に適合させるプロセスが欠かせません。
試験・認証機関が深センに拠点を構えるメリットは、次のような点にあります。
- 開発現場に近く、試験や認証のリードタイムを短縮しやすいこと
- EVや電子機器など、新しい技術分野のトレンドをリアルタイムで把握できること
- グローバル展開を目指す企業に対し、早い段階から国際規格を意識した設計を促せること
フュービCEOが深セン投資について語った背景には、「イノベーションの現場」に近い場所で、品質と安全のインフラを提供し続ける狙いがあると考えられます。
EUの中国製EV関税:ビジネスにどう響くのか
インタビューでは、欧州連合(EU)が中国製EVの輸入に対して導入・検討している関税の問題も取り上げられました。EU側は産業政策や公正な競争条件の観点から議論を進めており、中国から欧州へのEV輸出にはコスト面での負荷が生じつつあります。
こうした動きは、自動車メーカーだけでなく、試験・認証ビジネスにも影響を与えます。たとえば、
- 各国・各地域ごとに異なる技術規格や環境基準への対応が、一段と重要になること
- サプライチェーンの再設計や、生産拠点の多拠点化を検討する企業が増えること
- 品質・安全性・環境性能での「見える化」が、関税以外の競争力として重みを増すこと
欧州と中国の両方に長年拠点を築いてきた企業にとっては、異なる規制環境をつなぐ役割がより大きくなりつつあると言えます。関税が短期的なコスト要因である一方で、長期的には技術・品質・サステナビリティでどう差別化するかが問われている局面です。
サステナビリティを中核に据えた長年の取り組み
TÜVラインランドは、サステナビリティ(持続可能性)を長年の重点テーマとして掲げてきたとされています。CGTNのインタビューでは、この「長期的なコミットメント」があらためて強調されました。
試験・認証機関がサステナビリティに関わる場面は、多岐にわたります。
- 省エネ性能やCO2排出量などの環境関連データの検証
- 労働安全や製品安全といった、人の健康と安全に直結する項目の評価
- サプライチェーン全体での環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮の見える化
企業にとって、サステナビリティはもはや「イメージ戦略」ではなく、事業継続や資金調達、国際競争力に直結するテーマになっています。中国南部の製造・テック拠点でこれらのサービスを提供することは、アジアから世界へと展開する企業の基盤づくりにもつながります。
日本の読者へのヒント:アジアの品質インフラをどう見るか
今回のインタビューは、中国ビジネスとEUの産業政策、そしてサステナビリティという三つのテーマが交差する好例と言えます。日本の企業やビジネスパーソンにとって、次のような示唆がありそうです。
- イノベーションの拠点(深センなど)に近いところに品質・安全のインフラが集積していくこと
- 貿易環境が変化しても、国際規格や認証への対応を強化することで、中長期の競争力を維持しうること
- サステナビリティを事業戦略の中心に置く企業ほど、規制変化にも柔軟に対応しやすいこと
中国南部と欧州の両方を視野に入れて動く企業の戦略は、日本企業にとっても、アジア発のビジネスモデルを考えるうえで参考になります。国際ニュースを追うとき、「関税」や「規制」といった表面的なキーワードの奥にある、品質・安全・サステナビリティのインフラにも目を向けておきたいところです。
まとめとして、TÜVラインランドCEOの発言は、深センを軸とした中国展開、EUのEV関税という不確実性への向き合い方、そしてサステナビリティを事業の中心に据える姿勢を浮かび上がらせました。国際ビジネスの最前線で何が起きているのかを考えるヒントとして、今後の動きも追っていく価値がありそうです。
【ハッシュタグ】#国際ニュース #中国ビジネス #EV #サステナビリティ
Reference(s):
TÜV Rheinland CEO on China expansion, EU tariffs and sustainability
cgtn.com








