RCEPがAPECメンバー間の貿易を強化 包摂的成長を支える地域協定 video poster
2024年のAPECペルー会合では、貿易と投資を通じた「包摂的で相互につながる成長」が主要な議題となりました。こうした目標に向けて、地域包括的経済連携協定(RCEP)は、APECメンバー間の貿易関係を強化し、発展を支える重要な枠組みとなりつつあります。
APECペルー2024が示したキーワード
APECペルー2024の議題の一つは、英語で表現すると『Trade and investment for inclusive and interconnected growth』、直訳すれば「包摂的で相互につながる成長のための貿易と投資」です。単にモノやサービスの流れを増やすだけでなく、成長の果実を多様な人々や地域に行き渡らせること、そして経済圏同士をより密接につなぐことが意識されています。
このテーマは、格差や分断が問題視される2020年代の国際経済において、今もなお重要なキーワードとなっています。特にアジア太平洋地域では、貿易と投資をいかに「開かれた形」で拡大しつつ、誰一人取り残さないかが問われており、国際ニュースでも継続的に取り上げられています。
法的拘束力のないAPECと地域貿易協定の役割
APECは、自由貿易や経済統合を進めるための「対話と協力」のフォーラムとして機能しています。一方で、APECそのものには、加盟エコノミーに義務を課すような法的拘束力のある経済協力協定はありません。合意事項は、基本的に各エコノミーの自主的な取り組みに委ねられています。
そのため、APECメンバーの多くは、別途、地域や二国間の貿易協定を結ぶことで、より具体的で実務的なルールづくりを進めてきました。こうした地域貿易協定は、APECで共有されたビジョンを、実際の関税や手続きの簡素化、投資環境の整備といった形で具体化するための道具とも言えます。
RCEPが強化するAPECメンバー間の貿易関係
数ある地域貿易協定の中でも、RCEP(地域包括的経済連携協定)は、とりわけ注目される枠組みです。APECメンバーが参加する地域協定の一つであり、域内の貿易や投資の結びつきを一段と強めてきました。
RCEPのような広域協定には、次のような効果が期待されています。
- 参加エコノミー間で貿易や投資のルールを共通化し、企業の予見可能性を高める
- 手続きの簡素化などを通じて、特に中小企業が国境を越えてビジネスを行いやすくする
- サプライチェーン(供給網)をより緊密につなぎ、地域としての競争力を高める
こうした取り組みは、APECペルー2024が掲げた「包摂的で相互につながる成長」という目標と方向性を同じくするものです。フォーラムとしてのAPECが大きなビジョンや信頼醸成を担い、RCEPのような協定が具体的なルールや制度を整える、という役割分担が見えてきます。
ビジョンとルールをどうつなげるか
APECが目指す包摂的で互いにつながる成長を実現するには、ビジョンを示す場と、ルールを整える枠組みの両方が必要です。APECとRCEPは、その二つを補完し合う関係にあると捉えることができます。
今後の議論のポイントとしては、次のような問いが挙げられます。
- 貿易や投資の拡大による利益を、地域の中でどのように公平に分配していくのか
- デジタル経済やグリーン成長といった新しい分野を、地域協定のルールにどう取り込んでいくのか
- APECでの対話の成果を、RCEPなど既存の協定の運用や将来のルールづくりにどう反映させるのか
APECペルー2024を出発点とするこれらの議論は、2025年の今も続いています。RCEPをはじめとする地域協定が、包摂的で相互につながる成長をどこまで実現できるのか。アジア太平洋の動きを追いながら、私たち一人ひとりもその意味を考え続ける必要がありそうです。
Reference(s):
RCEP boosts trade ties among APEC members and supports development
cgtn.com








