Hongqiaoフォーラムで語られた人工知能と産業成長 米中協力のカギは? video poster
中国で開催中の第7回China International Import Expo(中国国際輸入博覧会)に合わせて開かれているHongqiao International Economic Forum(Hongqiao国際経済フォーラム)で、人工知能(AI)が産業成長の鍵となるテーマとして前面に押し出されています。
CGTNのHou Jing記者は、中国の工業・情報化部副部長Xiong Jijun氏、U.S.-China Business Council(米中ビジネス協議会)会長Craig Allen氏、Unitree Robotics創業者Wang Xingxing氏らにインタビューし、AIとロボットが産業や経済、そして米中協力にどのような影響を与えているのかを掘り下げました。
第7回中国国際輸入博覧会の場で浮かび上がるAIの存在感
Hongqiao国際経済フォーラムは、各国・各地域の政府関係者や企業、専門家が集まり、世界経済や技術トレンドについて議論する国際会議です。今回のフォーラムでは、とくにAIが産業成長を支える「エンジン」として位置づけられたことが特徴的です。
登壇者たちは、AIが製造業やサービス産業、エネルギー、物流など幅広い分野で活用されつつあり、その影響が経済全体に及び始めているという認識を共有しました。2025年現在、AIはもはや一部の先端企業だけの話題ではなく、産業政策や企業戦略の中心テーマとなりつつあります。
AIが支える「デジタル」と「グリーン」の二つの転換
フォーラムでの議論の柱の一つが、AIを軸にした「デジタル転換」と「グリーン転換」です。これは、生産やサービスの現場をデジタルデータでつなぎながら、環境負荷の小さい経済構造へ移行していく動きのことを指します。
AIが果たす役割として、具体的には次のようなポイントが挙げられます。
- 工場やオフィスでの設備稼働データを分析し、生産ラインの最適化や故障予測を行う
- エネルギー使用量や排出量をリアルタイムで把握し、無駄な消費や排出を抑える
- サプライチェーン全体を見える化し、コストと環境負荷の両面から最適な調達・物流を設計する
こうした取り組みにより、企業はコスト削減と脱炭素、レジリエンス(回復力)の強化を同時に進めることができます。AIは、単に業務を自動化する技術ではなく、社会や産業の構造そのものを変えていく基盤技術として位置づけられつつあります。
ロボットが広げるAIの産業応用
AIの産業応用を語るうえで欠かせないのがロボットです。Unitree Robotics創業者のWang Xingxing氏の参加もあり、ロボット技術がさまざまな業界にもたらす影響もフォーラムの重要なテーマとなりました。
AIを搭載したロボットは、すでに多様な現場で導入が進んでいます。
- 工場や倉庫での搬送、検査、在庫管理などの現場作業
- 高所や災害現場など、人が近づきにくい危険環境での点検・保守
- サービス産業やヘルスケアの現場での受付、案内、見守りといった支援業務
近年増えているのが、人と同じ空間で並んで作業する「協働ロボット」です。これらは人の仕事を単純に置き換えるのではなく、重労働や危険な作業をロボットに任せ、人は判断や創造性が求められる業務にシフトするという、新しい役割分担を生み出しています。
フォーラムの議論は、ロボットと人間がどのように共存し、働き方や職場のあり方を変えていくのかという点にも関心が集まっていることを示しています。
AI分野での米中協力がもつ意味
U.S.-China Business CouncilのCraig Allen会長らは、AI分野における米中協力の重要性にも言及しました。AIやロボットは、研究開発から産業応用、ルール作りまで、国境を越えた連携が不可欠な分野です。
フォーラムで浮かび上がった論点は、次のように整理できます。
- AIの安全な利用や倫理、プライバシー保護などに関する国際的なルールづくりへの協調
- 企業・研究機関同士の共同研究や人材交流を通じたイノベーションの加速
- 半導体や通信ネットワークなど、AIを支えるサプライチェーンとデジタルインフラの安定的な連携
AIは経済成長のエンジンであると同時に、社会の安全性や公平性にも影響する技術です。米中を含む各国・各地域が協力しながら、いかにオープンで信頼できる技術環境を作っていくかが問われています。
Hongqiao国際経済フォーラムでの議論は、競争と協調が交錯するなかで、AIをめぐる国際秩序をどう形づくるかという、現在進行形の課題を映し出しています。
日本の読者にとっての示唆
今回のフォーラムのテーマは、日本の企業や政策、そして私たちの働き方にも直結します。日本の読者にとってのポイントを挙げると、次のようになります。
- 自社や所属組織のデジタル・グリーン戦略に、AIやロボットをどう組み込むか
- 中国や米国を含むグローバルなパートナーとの協力や、情報交換の可能性
- AIが仕事や暮らしをどう変えるのかについて、社会的な議論にどう参加していくか
AIはすでに多くの現場で使われ始めており、「導入するかどうか」ではなく「どのように使うか」が問われる段階に入っています。Hongqiao国際経済フォーラムと中国国際輸入博覧会での議論を国際ニュースとして押さえつつ、日々の仕事や生活の中で、AIとの付き合い方を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








