上海CIIEを支える国際物流 世界の消費財はこうして集結する video poster
第7回CIIE、世界の消費財が集まる場
2025年11月に上海で開かれた第7回中国国際輸入博覧会(CIIE)では、食品や日用品、家電、化粧品など、世界中の消費財が一堂に会しました。国際ニュースとしても注目されるこのイベントは、各国の企業にとって中国市場への入り口であると同時に、最新の物流とサプライチェーンの「実験場」にもなっています。
効率的な物流がCIIEを支える
英語メディアCGTNによる報道では、「CIIEは効率的な物流に支えられている」として、会場に並ぶ商品がどのような経路で上海に運び込まれているのかを、Wang Tianyu記者が詳しく伝えました。世界各地からの出展品が短期間で大量に集まる裏側では、綿密に組み立てられた輸送計画と通関手続きの簡素化が進んでいます。
出展決定から会場到着までの基本フロー
CIIEに出展する企業の多くは、数か月前から物流の準備を始めます。一般的な流れは次のようなものです。
- 出展する商品と数量を決め、梱包仕様やラベル表示を調整
- 上海に向けた輸送ルート(海上輸送・航空輸送など)を選択
- 中国側での通関に必要な書類を事前に電子データで提出
- 港や空港に到着後、会場近くの倉庫へ搬入し、検品・仕分けを実施
- 展示会開幕直前に、指定時間帯に合わせてブースへ搬入
とくに食品や医薬品など温度管理が必要な商品は、冷蔵・冷凍設備を備えた「コールドチェーン」と呼ばれる物流網が活用されます。会期中も品質を維持するため、会場周辺には専用倉庫が整備されていると伝えられています。
スピードとコストを両立させる輸送ルート
世界のさまざまな地域から上海へ商品を運ぶ際、企業が悩むのはスピードとコストのバランスです。高価で小型の商品であれば航空輸送で迅速に運び、大型機械や大量のサンプル品は海上輸送でコストを抑えるなど、品目ごとに最適な組み合わせが選ばれます。
上海港や上海の国際空港は、CIIE期間中にあわせて体制を強化し、展示会向け貨物の扱いを優先する仕組みを導入しています。これにより、通常であれば数日かかる手続きが短縮され、出展企業はタイトなスケジュールでも間に合うようになっています。
デジタル通関がリスクを減らす
国際物流で最も時間が読みにくいのが通関手続きです。CIIEを前に、中国側では通関のデジタル化や事前審査の仕組みを取り入れ、展示会向け貨物に特化した「ファストトラック」を整備していると報じられています。
事前に商品の情報をオンラインで共有しておくことで、港や空港での検査は確認作業が中心となり、通関にかかる時間と人為的なミスの両方が減らせます。結果として、出展企業は「間に合うかどうか」という最大のリスクを抑えられるようになっています。
日本企業・日本の消費者にとっての意味
日本企業にとってCIIEは、中国市場に自社ブランドを紹介する場であると同時に、自社のサプライチェーンを見直す機会でもあります。効率的な物流モデルをうまく活用できれば、展示会後の本格的な販売にもつなげやすくなります。
日本の読者の視点から見ると、CIIEの物流は次のようなヒントを与えてくれます。
- 海外展示会に参加する際は、マーケティングだけでなく物流計画を早期に組み込むことが重要
- 温度管理やラベル表示など、各国の規制に対応した梱包設計が競争力の一部になる
- 現地の物流企業やプラットフォームと連携することで、中小企業でも海外展開のハードルを下げられる
また、日本国内の消費者にとっても、輸入食品や海外ブランド品が店頭やネットショップに並ぶ背景には、こうした国際物流の仕組みがあることを意識することで、ニュースの見え方が変わってきます。国際ニュースとしてのCIIEは、日々の買い物と実は地続きの話題でもあるのです。
物流から読み解く2025年の国際経済
CIIEのような大型イベントは、単に企業が商品を並べる場ではなく、各国の物流インフラやデジタル化の進展を映し出す「鏡」でもあります。2025年の今、サプライチェーンの強靱さや環境負荷の低減は、企業にとって避けて通れないテーマになっています。
第7回CIIEを支える物流の現場に目を向けることは、ポストパンデミック時代の国際経済がどのように動いているのかを知る手がかりにもなります。ニュースを追いながら、自分たちの日常と世界の物流がどのようにつながっているのか、少し立ち止まって考えてみる余地がありそうです。
Reference(s):
CIIE relies on efficient logistics to bring products to Shanghai
cgtn.com








