CIIEから見る中国・フランス外交と産業協力のいま
リード:2025年は中国とフランスの国交樹立60周年の節目の年です。中国で開催される中国国際輸入博覧会(CIIE)を舞台に、両国の外交と産業協力の進化があらためて浮かび上がっています。
- 60年続く中国・フランス外交の特徴
- 貿易・投資で広がる新たな協力分野
- CIIEが映し出す産業転換と「大国外交」の現在地
60周年を迎えた中国・フランス外交
今年、中国とフランスは国交樹立60周年を迎えました。この60年間、中国・フランス関係は、中国が欧米諸国と築く関係の中でも一貫して先駆的な位置を占めてきました。国際環境が大きく揺れ動くなかでも、両国は政治・経済・文化の各分野で対話と協力の枠組みを維持し続けてきたと言えます。
経済・貿易協力:伝統分野から新分野へ
経済・貿易の面では、中国とフランスは従来から強みを持つ分野で実績を積み重ねてきました。とくに、航空宇宙や民生用原子力といったハイテク分野での協力は長い歴史があります。
近年は、こうした伝統的な協力に加えて、次のような新しい分野での連携も進んでいます。
- 農業・食品分野
- グリーン成長(環境配慮型の経済成長)
- 技術革新
- デジタル経済
2023年には、世界経済の不確実性が高まり、地政学的な緊張も強まるなか、中国・フランス間の貿易額は789億ドルに達しました。これは、中国が欧州連合(EU)域外でフランスにとって最も重要な貿易相手であるという位置づけをさらに固めるものです。
CIIE:中国市場を映す「窓」
中国国際輸入博覧会(CIIE)は、2018年の創設以来、中国の巨大市場が持つ可能性や、経済構造の転換・高度化、新しい消費トレンドを世界に示す「窓」となってきました。各国の企業にとっては、中国市場への入り口であると同時に、中国経済の変化を肌で感じる場ともなっています。
これまでのCIIEで、フランスは出展企業数や展示面積、商談規模などの面で常に上位に位置してきました。これは、フランス企業が中国市場を戦略的に重視していることの表れでもあります。
第7回CIIEで存在感を示したフランス
今年の第7回CIIEでは、フランスが再び「主賓国」として参加しました。フランス館の展示面積は約2万平方メートルに達し、130社が出展しました。
ブースには、中国の消費者にもなじみの深い大手ブランドだけでなく、中国市場への新規参入を目指す企業も並びました。会場には「フランスの農場から中国の食卓へ(From French Farms to Chinese Tables)」と題した特設コーナーも設けられ、フランスの農産品や食品がどのように中国の家庭に届いているのかを紹介しています。
フランス館は、人気ブランドの発信の場であると同時に、中国とフランスのビジネス交流の活発さ、そしてフランス企業が中国市場で長期的なプレゼンスを築こうとする姿勢を印象づける場にもなっています。
産業転換で重なる中国とフランスの課題
現在、中国は「新たな質の高い生産力(new quality productive forces)」の育成を加速し、高品質な経済成長を目指しています。これは、先端技術やイノベーションを軸に産業構造を高度化しようとする取り組みです。
一方、フランスもまた、グリーンとデジタルを柱にした「再産業化」を進めています。脱炭素とデジタル技術をてこに、競争力のある産業基盤を再構築しようとしている点で、中国とフランスは共通の方向性を持っています。
CIIEは、こうした両国の産業戦略が交差する場でもあります。展示や商談を通じて、
- グリーン技術
- デジタルソリューション
- 持続可能なサプライチェーン
といったテーマでの協力の可能性が議論され、中国・フランス間の産業アップグレードの連携が具体化していきます。CIIEはまさに、中国とフランスの「大国外交」と産業協力の両方を体現する舞台となっているのです。
これからの中国・フランス関係に向けて
今後、中国とフランスは、より開かれた姿勢で経済・貿易協力や戦略的な連携について議論を深めていくことが期待されています。とくに、技術革新や文化交流の分野で対話を重ねることは、相互理解を促進し、長期的な信頼関係を支える基盤にもなります。
両国が、CIIEのような場を活用しながら協力の幅と深さを広げていくことは、単に二国間関係にとどまらず、世界経済の安定と繁栄にも貢献する可能性があります。中国とフランスがともに、新しい時代の「大国外交」の一章を書き進めていけるのか――その行方を引き続き注視していきたいところです。
Reference(s):
CIIE insights: China-France diplomacy and industrial evolution
cgtn.com








