中国発イケア製品が世界的ヒットに 第7回中国国際輸入博の現場から video poster
中国で設計・製造されたイケア製品が、いま世界のヒット商品として存在感を高めています。2025年12月上旬、上海で開かれた第7回中国国際輸入博覧会(CIIE)の会場で、イケア・中国(IKEA China)の副総裁シンディ・ルアン氏が、その背景にある中国のイノベーション力と展示会の役割について語りました。
上海・中国国際輸入博で語られた「中国発ヒット」
ルアン氏は、第7回中国国際輸入博覧会の会場で開かれた記者会見で、中国のイノベーション能力について「とくに際立っている」と評価しました。イケアの多くの製品が中国で設計・製造され、世界各地の店舗で人気商品になっていると強調しています。
同氏は「中国でデザインされ、製造された当社の多くの製品が、グローバルなヒット商品になっている」と述べ、ものづくりの現場としての中国の重要性に言及しました。日本の消費者にとって身近な家具や生活雑貨の中にも、中国発のアイデアと技術が反映された製品が少なくないことを示唆しています。
中国で設計・製造された製品が世界で支持される理由
ルアン氏の発言からは、中国を拠点としたプロダクト開発が、イケアのグローバル戦略の中で重要な位置を占めていることがうかがえます。具体的な商品名は挙げていないものの、次のような点が背景にあると考えられます。
- 日常生活に根ざした実用的なデザインと価格帯の両立
- 短いサイクルで改良を重ねる開発・生産プロセス
- 中国市場で得られる多様な消費者ニーズを、世界市場向けの製品に反映できる点
グローバル企業にとって、中国での設計・製造は単なるコスト要因ではなく、世界のトレンドを生み出す源泉として位置づけられていることが読み取れます。
来場者数が示す「リアルな声」の重要性
ルアン氏は、中国国際輸入博での来場者数にも触れました。昨年、イケアの展示ブースには約4万人が訪れたといいます。今年も、自身が会見の場に向かう前の時点で、すでに1万人がブースに足を運んだと説明しました。
大量の来場者がブースに訪れることについて、同氏は「製品に対するフィードバックをその場で得られる大きな機会」だと位置づけています。オンラインでのレビューやデータ分析が進む一方で、実際にユーザーが製品に触れ、担当者と直接対話する場は、以下のような意味を持ちます。
- 利用者の表情や反応を含めた「生の声」を把握できる
- 国や地域ごとの好みや使い方の違いを、具体的なエピソードとして共有できる
- その場で試作や改良のアイデアが生まれ、次の製品開発につながる
国際見本市としての中国国際輸入博は、単なる「展示の場」にとどまらず、グローバル企業にとってユーザー理解を深める実験の場にもなっていると言えます。
「高レベル対話」の場としてのCIIE
ルアン氏は、中国国際輸入博の特徴として「中国の他のどの展示会よりも、多くの高レベルな対話が行われている」と評価しました。こうした対話は、企業にとって次のような意味を持つと述べています。
- 業界全体の関心事や課題を、政府関係者や専門家、企業のリーダーと共有できる
- 社会の注目するテーマ(環境配慮やサステナビリティ、多様性など)を事業にどう反映するか考えるきっかけになる
- 競合他社も含めた多様なプレーヤーとの協力余地を探る場になる
こうした「対話の厚み」が、単にモノを売るだけでなく、企業の方向性や製品コンセプトそのものを見直す契機になっているとみられます。
日本の消費者にとっての意味
日本の読者にとって、中国国際輸入博はやや遠い出来事に感じられるかもしれません。しかし、ここで交わされる対話や得られるフィードバックは、数年後に日本の店舗に並ぶ家具や雑貨のかたちとなって現れる可能性があります。
次にイケアの店舗やオンラインストアをのぞいたとき、手に取った商品のタグに「中国で設計・製造」といった表示を見つけるかもしれません。その裏側には、上海の展示会場での対話や、中国の工場やデザインスタジオでの日々の試行錯誤があります。
日本語で国際ニュースを追う私たちにとって、このニュースは次のような問いを投げかけます。日々の暮らしを支える身近な製品は、どの国や地域のどのような人々の知恵と仕事によって生まれているのか。中国でのイノベーションとグローバル企業の取り組みは、その一端を静かに映し出していると言えるでしょう。
Reference(s):
IKEA products designed and manufactured in China become global hits
cgtn.com








