北京・上海が大型住宅の税負担を軽減 不動産テコ入れへ新措置
中国本土の北京市と上海市が、大型住宅の売買にかかる税負担を軽減する新たな不動産政策を打ち出しました。2025年12月1日から税制が見直され、住宅を普通と非普通に分ける区分が廃止されることで、売買時のコストを引き下げ、低迷する不動産市場のてこ入れを図るねらいがあります。
税制見直しのねらいは「取引コストの削減」と「需要喚起」
今回の政策は、不動産取引に伴う税負担を軽くし、需要を喚起して市場を安定させることを目的としています。特に面積の大きい住宅はこれまで税負担が重く、売り手にとっても買い手にとってもハードルとなっていました。
北京市と上海市の当局は、この区分をなくすことで、大型住宅の取引コストを下げ、売買を活発化させたい考えです。中国本土の不動産市場が低迷する中で、税制面からの支援強化が続いています。
普通住宅と非普通住宅の区別を廃止
これまで北京と上海では、住宅を普通住宅と非普通住宅に分類し、税率などの扱いが分かれていました。非普通住宅とは、建物の面積が144平方メートルを超えることに加え、価格水準などいくつかの条件を満たす物件を指します。
一般に非普通住宅は高級物件とみなされ、売買の際に税負担が重くなる傾向がありました。今回の見直しでは、この普通と非普通の区分そのものをなくし、よりシンプルな形で税の取り扱いを行う方針です。
- 建物面積144平方メートル超などの条件で区分されていた非普通住宅の扱いを見直し
- 普通と非普通の線引きを廃止することで、大型住宅の税負担を軽減
- 結果として、売買にかかるコストを引き下げ、取引の活性化を狙う構図
専門家「中古の優良物件が増え、選択肢が広がる」
不動産コンサルティング会社E-House Chinaの研究機関で副所長を務める厳躍進氏は、今回の政策について次のように見ています。
住宅所有者にとっては売却コストが下がるため、売り出し件数が増え、中古住宅の取引活動が活発になるとしています。その結果、質の高い中古物件が市場に多く出回り、購入を検討する人にとっては選択肢が広がる効果が期待されます。
こうした動きは、中古市場を通じて不動産全体の流動性を高め、市場にプラスの影響を与えると見られています。
続く不動産テコ入れ策の一環としての税優遇
今回の北京と上海の措置は、単独の政策ではなく、中国当局が進めている不動産テコ入れ策の一部です。低迷する不動産市場を下支えするため、中国本土では税制や金融など多方面で支援が打ち出されています。
2025年11月13日には、中国当局が不動産セクターの安定的で健全な発展を後押しする目的で、契税、土地増値税、付加価値税の優遇を強化する方針を発表しました。
- 契税 不動産を取得する際にかかる税金
- 土地増値税 土地の値上がり益に対して課される税金
- 付加価値税 取引で生じる付加価値部分にかかる税金
こうした税制優遇と今回の都市ごとの調整を組み合わせることで、需要の冷え込みを和らげ、不動産市場の安定を目指す狙いがうかがえます。
今後の注目ポイント
北京と上海で始まった今回の税制見直しは、中国本土の不動産市場にどのような波紋を広げていくのでしょうか。いくつかの論点が浮かびます。
- 他の大都市や地方都市にも、同様の税負担軽減策が広がるかどうか
- 大型住宅だけでなく、中小規模の住宅や新築市場にも波及効果が出るか
- 中古住宅の流通が進むことで、住宅を買い替えたい人の動きが活発になるか
中国本土の不動産市場の動きは、日本を含む周辺国や世界経済にも影響を及ぼします。住宅需要や建設関連産業、金融市場とのつながりを踏まえると、今回のような税制調整は今後も注視しておきたいテーマです。
新たな政策がどこまで市場心理を支え、実際の取引増加につながるのか。2025年末にかけて、不動産市場の反応が試されています。
Reference(s):
Beijing, Shanghai cut tax on larger house transactions to boost sales
cgtn.com








