中国、プラットフォーム経済を本格支援 成長と雇用をてこ入れ
中国国務院は2025年12月5日(金)に開かれた会議で、プラットフォーム経済への政策支援を強化し、成長と雇用、イノベーションを後押しする新方針を決定しました。
李強国務院総理が議長を務めたこの会議では、デジタル企業が担う「プラットフォーム経済」を、内需拡大と雇用安定、実体経済の底上げにつながる柱として再確認しました。本記事では、この中国経済の動きを日本語で分かりやすく整理します。
プラットフォーム経済を成長エンジンに
中国政府は、ネット通販や配車アプリ、飲食宅配、オンライン決済など、多数のユーザーと事業者を結ぶ仕組みを「プラットフォーム経済」と位置づけています。今回の方針では、景気対策と産業高度化を両立させるため、この分野を一段と支援する姿勢を明確にしました。
データと規制の両面で支援強化
会議で示された主なポイントは次の通りです。
- データ供給を強化し、産業や社会でデータが活用できる環境を整備する。
- 法令に基づいた越境データ流通(クロスボーダーデータフロー)を進め、国際的なビジネス展開を後押しする。
- プラットフォームに関する政策をマクロ経済目標と整合させ、成長や雇用との一体運用を図る。
- 産業インターネットプラットフォーム(工場や物流などのデジタル連携基盤)の拡大を進める。
- 消費者向けインターネット企業が市場ポテンシャルを発揮できるよう支援する。
- 公正な競争環境を整え、監督体制を改善しつつ、企業に責任ある競争を促す。
消費者と労働者の保護を強化
プラットフォーム経済の拡大に伴い、中国政府は消費者と労働者の権利保護も重視しています。会議では、オンライン取引で問題が起きた際に、利用者がより簡単に不満やトラブルを訴えられる仕組みを整える方針が示されました。
具体的には、購入後のレビュー制度や苦情処理システムの改善を進めるほか、配達員やドライバーなどプラットフォームに関わる働き手の雇用慣行について、労働法に沿った運用を企業に促すとしています。雇用の創出と安全・安心な働き方の両立を狙います。
危険化学品の安全法案も承認
同じ会議では、危険化学品の安全管理に関する法律案も承認され、今後、全国人民代表大会(全人代)に提出されることになりました。この法案は、企業の安全責任を明確化し、監督・取り締まりを強化するとともに、省庁間の連携を通じてリスクを減らすことを目的としています。
老朽化した化学設備の更新・淘汰や、従業員への安全教育、管理システムの高度化なども盛り込まれており、産業安全と事故リスクの抑制を図る内容です。
1500億元の特別債で産業アップグレード
国家発展改革委員会によると、中国政府は七つの重点分野の大規模な産業アップグレードを支えるため、1500億元(約207億ドル)の長期特別国債を配分しました。対象となるのは、製造業、農業、教育、交通、文化観光、医療などで、産業構造の高度化と地域経済の底上げを狙います。
日本や世界への意味合い
プラットフォーム経済や産業インターネットへの支援強化は、国際的なサプライチェーンやデジタル取引にも影響を与えます。中国市場で事業を展開する日本企業や、越境EC(電子商取引)を通じて中国の消費者と取引する企業にとって、データ流通ルールや消費者保護の強化は重要な論点です。
一方で、危険化学品の安全法整備や産業アップグレード投資は、中長期的なリスク管理と質の高い成長を重視する姿勢の表れとも言えます。プラットフォーム経済の活用と規律の強化がどのように両立していくのか、今後の政策運営が注目されます。
Reference(s):
cgtn.com







