COP29の気候資金3000億ドル 中国特使が先進国に約束履行を要求 video poster
2024年に開催された国連気候変動会議COP29では、先進国が途上国の気候変動対策を支援するため少なくとも3000億ドルを拠出することで合意しましたが、その規模や履行の行方が2025年の今も大きな論点となっています。
2024年COP29で何が合意されたのか
2024年に開かれた第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議COP29の会期終盤の日曜日、先進国は、開発途上国の気候変動対策を支えるために少なくとも3000億ドルの資金を提供することで合意しました。
この資金は、再生可能エネルギーへの転換や省エネ投資、気候災害への適応策など、広い意味でのエネルギー転換と気候レジリエンス強化を支えることを目的としています。
しかし、途上国側のニーズは少なくとも年間1兆ドルと見積もられており、前年の国際合意でもその規模が共有されていました。COP29で示された3000億ドルという数字は、その目安を大きく下回る水準にとどまっています。
劉振民特使「先進国は約束を守り、模範を示すべき」
こうした状況の中で、中国の気候変動担当特使である劉振民氏は、中国メディアのインタビューで、先進国に対し約束の履行とリーダーシップを強く求めています。
劉特使は、中国が開発途上国とともに気候変動対策を進める中で、歴史的に多くの温室効果ガスを排出してきた先進国には、資金面でも技術面でもより大きな責任があると指摘しました。そのうえで、合意した資金支援を着実に実行し、自ら率先して排出削減とエネルギー転換を進めることが重要だと強調しています。
先進国が約束を守ることは、途上国の信頼を確保するだけでなく、国際的な気候交渉全体の信頼性を保つうえでも欠かせないとする見方です。
なぜ途上国向けの気候資金がカギなのか
途上国にとって、気候変動対策はしばしば「今の開発」と「将来の安全」のどちらを優先するかという難しい選択を迫ります。再生可能エネルギーへの転換やインフラ整備には多額の初期費用がかかる一方、短期的には化石燃料に依存した方がコストが安い場合もあるからです。
こうしたジレンマを解消するために必要なのが、長期的で安定した国際的な資金支援です。十分な資金があれば、途上国は電力網の近代化や再生可能エネルギーの導入、防災インフラの整備などに投資しやすくなり、持続可能な成長と排出削減を両立しやすくなります。
逆に、約束された資金が届かなければ、新たな石炭火力発電所の建設など、短期的には安く見える選択肢に流れやすくなり、世界全体の排出削減目標の達成が難しくなる可能性があります。
2025年から見たCOP29合意の意味
2025年末の今、COP29での3000億ドル合意は、気候資金の最低ラインとしての意味を持つ一方で、年間1兆ドル規模とされる途上国のニーズとのギャップをどう埋めるかという課題を改めて浮かび上がらせています。
中国のように、途上国の立場を重視しつつ、先進国に約束の履行とリーダーシップを求める声は、今後の国際交渉でも存在感を増していくとみられます。先進国がどこまで具体的な拠出計画と実行状況を示せるかが、次の気候会議や関連する場での焦点になりそうです。
日本を含む各国の市民にとっても、気候変動は遠い世界の問題ではありません。自国の負担や利害だけでなく、途上国の視点や国際的な公平性の議論にも目を向けることが、これからの気候ニュースを読み解くうえでますます重要になっていきます。
Reference(s):
Envoy: China urging developed countries to fulfill climate commitments
cgtn.com








