中国の知的財産保護、外国企業の懸念に対応 特許・商標データが示す変化
外国企業の知財懸念に対応する中国の動き
中国が外国企業の知的財産(IP)をめぐる懸念や要望に応えるため、保護制度の強化と運用の改善を進めています。最近開かれた記者会見で、中国の知的財産当局の担当者は、国内企業と外国企業の双方に対して「平等な保護」を行う姿勢を強調しました。
国際ルールに沿った保護と法改正
記者会見で説明したのは、China National Intellectual Property Administration(CNIPA、中国の知的財産権当局)の担当者であるGuo Wen(グオ・ウェン)氏です。Guo氏によると、中国は国際ルールとの整合性を重視し、外国企業が中国本土で直面する知財課題に対応してきました。
具体的には、次のような点に力を入れているといいます。
- 国際的なルールとの調和
- 効率的な紛争解決の仕組みづくり
- 外国企業との定期的なコミュニケーションの場の整備
Guo氏は、中国政府が主要な国際知的財産条約のほとんどに参加し、世界知的所有権機関が運用する特許・商標・意匠の三つの主要な国際登録制度を積極的に利用していると説明しました。また、中国は現在、商標法や特許法の改正作業を進めており、「国際的に最も高い水準に合わせた厳格な懲罰措置」を導入していると述べています。
悪意ある特許・商標出願への対応
中国当局は、悪意ある特許の無効化請求や、権利を不正に狙った商標出願といった行為への取り締まりも強化しているといいます。こうした対応を通じて、米国、ドイツ、フランス、イタリア、タイ、デンマークなどの企業が関わる多数の知財紛争が解決されてきたと説明しています。
ポイントは、知財ルールを悪用する動きに対して、企業の国籍にかかわらず、同じ基準で対応していくという姿勢を前面に出している点です。
外国企業との「対話の場」を常設
CNIPAは、制度づくりだけでなく、外国企業と直接意見を交わす場づくりにも力を入れています。Guo氏によると、北京、上海、江蘇、広東などで多数のシンポジウムを開催し、外国企業の声を丁寧に聞き取り、その場で課題解決の支援を行う「定期的なコミュニケーションの仕組み」を構築してきたといいます。
こうした場は、企業にとっては自社の懸念や具体的なトラブルを当局に直接伝えられるチャネルであり、中国側にとっては制度運用の改善点を把握するフィードバックの機会にもなっています。
特許・商標の数字が示すもの
2025年1月から10月までの中国本土における統計も公表されました。中国で認可された外国からの発明特許は9万2千件で、前年同期比5.3%の増加となりました。また、中国で登録された外国企業などの商標は12万1千件に達し、前年から13.1%増えたとされています。
Guo氏は、これらの数字について「外国企業が中国の知的財産保護の取り組みを評価していることの表れだ」と述べました。そのうえで、中国は今後も「より公正で、透明性が高く、予見可能なビジネス環境」の整備に取り組んでいくと強調しました。
日本を含む海外企業にとっての意味
知的財産権の扱いは、中国市場への参入や事業拡大を検討する企業にとって、避けて通れないテーマです。今回示された方針や統計は、中国本土で事業を行う外国企業の知財保護が制度面・運用面の両方から強化されつつあることを示すシグナルといえます。
今後、中国での研究開発やブランド展開を考える企業や個人は、次のような点を意識しておく必要がありそうです。
- 商標法・特許法の改正内容と運用の行方
- 紛争解決手続きのスピードと実務上の負担
- CNIPAなど当局との対話の場をどう活用するか
国際ニュースとしての動きを押さえつつ、自社のビジネスモデルや知財戦略と照らし合わせて考えることが、日本や他の国・地域の企業にとっても重要になっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








