ハンガリー高官「グリーン転換は欧州の必然」 中国との協力強化に期待 video poster
欧州のグリーン転換(環境に配慮した経済への移行)は「もはや避けられない必然」だとするハンガリー高官の発言が注目を集めています。ハンガリーはこのグリーン転換で欧州をリードしていると自負し、中国やEUとの協力をさらに深めたい考えを示しました。
ハンガリー首相側近が語った「グリーン転換の必然性」
ハンガリー首相の政治ディレクターを務めるバラージュ・オルバーン氏は、最近行われた中国の国際メディアCGTNの孫尚義(Sun Shangyi)氏との対談の中で、欧州におけるグリーン転換の重要性を強調しました。
オルバーン氏は、欧州にとってグリーン転換は単なる選択肢ではなく「必要性」だと述べたうえで、ハンガリーはそのグリーン転換のプロセスで「欧州の中で先頭を走っている」と自らの立場を位置づけました。
発言の場となったのは、同氏の新著『Hussar Cut: The Hungarian Strategy for Connectivity』中国語版の刊行イベントです。ハンガリーの戦略を「接続性(コネクティビティ)」というキーワードで語る著者が、環境・エネルギーの分野でも「つながり」を重視していることがうかがえます。
なぜ今、欧州でグリーン転換が「必然」なのか
オルバーン氏の言う「グリーン転換の必然性」は、欧州が直面するいくつかの課題と重なります。
- エネルギー安全保障の強化
- 気候変動への対応
- 新しい産業・技術分野での競争力確保
こうした文脈の中で、欧州が再生可能エネルギーや省エネ技術、電動化などへのシフトを進めることは、中長期の戦略として避けて通れないという認識が広がっています。オルバーン氏の発言は、その流れを背景にしたものと見ることができそうです。
ハンガリーは欧州の「先頭を走る」と強調
オルバーン氏は、ハンガリーが欧州におけるグリーン転換で「先頭を走っている」と述べました。具体的な政策名や数値には触れていませんが、この自負の裏には、エネルギーやインフラ、産業構造の転換を国家戦略として位置づけている意識があると考えられます。
グリーン転換は、多くの国で次のような課題とセットになっています。
- 電力や交通インフラのクリーン化
- 産業界の投資負担と競争力維持の両立
- 地域経済や雇用への影響への対応
ハンガリーのような中東欧の国が、自らを「先頭」と位置づける発言をすることは、欧州内の力学や、域外との連携のあり方を考えるうえでも興味深い動きです。
中国との協力を「強化したい」 ハンガリーとEUの思惑
今回の発言で特に目を引くのは、オルバーン氏がグリーン転換の分野で、中国との協力強化に明確な期待を表明した点です。
同氏は、欧州のグリーン転換において、ハンガリーだけでなくEU全体としても中国との協力を深めたいと述べ、「ハンガリーとEUが中国との協力を強化できることを望む」と語りました。
グリーン転換に関する協力分野としては、例えば次のようなテーマが想定されます。
- 再生可能エネルギー関連の技術交流や共同プロジェクト
- 電気自動車や蓄電池など、クリーン技術のサプライチェーン構築
- インフラ投資のグリーン化をめぐる金融・制度面の連携
オルバーン氏の発言は、欧州と中国の間で、対立や競争だけでなく「協力の余地」をどう見出していくかという、現在進行形のテーマを映し出しています。
「接続性」とグリーン転換をどう結びつけるか
オルバーン氏の新著の副題は「The Hungarian Strategy for Connectivity(接続性のためのハンガリー戦略)」です。今回の発言は、この「接続性」という視点とグリーン転換が重なり合うポイントを示しているとも言えます。
グローバルな視点で見れば、接続性とは、交通やエネルギー、デジタルネットワークなどを通じて、地域と地域、国と国を結びつける考え方です。グリーン転換もまた、エネルギー網や物流網、データの流れを含む大きなインフラの再設計と分かちがたく結びついています。
ハンガリーが「接続性」と「グリーン」を同時に語る背景には、単に国内のエネルギー政策の問題にとどまらず、欧州と中国、そしてより広い地域をつなぐハブとしての役割を意識している可能性があります。
日本の読者にとっての意味──欧州・中国連携は他人事ではない
今回のハンガリー高官の発言は、一見すると中東欧と中国、EUの話に聞こえるかもしれません。しかし、グリーン転換と国際協力というテーマは、日本にとっても無関係ではありません。
- 欧州と中国の協力が、世界の技術標準や市場ルールに影響を与える可能性
- エネルギー・環境分野のサプライチェーン再編が、日本企業の戦略にも波及しうること
- 中小国を含む各国が、自国の立ち位置をどうデザインするかという外交・経済戦略のヒント
ハンガリーのような国が、中国との協力を前向きに語りつつ、欧州全体のグリーン転換をどう位置づけるのか。その姿勢を追うことは、グローバルなエネルギー転換と地政学的な動きの両方を読み解く手がかりになります。
これから何を注視すべきか
グリーン転換が「必然」とされる時代に、各国がどのようなパートナーシップを選ぶのかは、今後の国際秩序を左右する重要な要素です。今回のオルバーン氏の発言からは、次のような論点が見えてきます。
- 欧州のグリーン転換における中東欧諸国の存在感
- ハンガリーとEUが、中国との協力をどの程度、どの分野で深めていくのか
- グリーン転換と「接続性」をセットで語る新しい戦略発想
2025年現在、世界各地でグリーン転換をめぐる動きが加速する中、ハンガリーのような国の選択は、今後の国際ニュースを読み解くうえで見逃せない要素となりそうです。
Reference(s):
Hungarian official: Green transition is a 'necessity' for Europe
cgtn.com








