香港国際空港の三本滑走路システム始動 国際航空ハブ競争で一歩前へ
香港国際空港で、新たな三本滑走路システムが正式に運用を開始しました。国際航空ハブとしての機能を大きく強化し、旅客・貨物の両面でアジア有数の拠点となることを目指します。
香港国際空港に「三本滑走路時代」到来
今回本格運用が始まった三本滑走路システムは、香港国際空港を国際航空ハブとして一段と押し上げるインフラです。香港特別行政区のジョン・リー行政長官は、三本滑走路システムの稼働によって旅客・貨物の処理能力が大きく向上し、香港にもたらされるビジネス機会が拡大すると強調しました。
年間1億2千万の旅客と1千万トンの貨物を想定
三本滑走路システムの稼働により、香港国際空港は次の規模を目指すとされています。
- 年間旅客数:1億2,000万回の旅客トリップ
- 年間貨物量:1,000万トン
現在よりもさらに多くの人とモノが香港を経由して行き来することになり、航空ネットワークの拡充だけでなく、周辺地域の物流やサプライチェーンにも影響を与える可能性があります。
リー行政長官は、香港の航空業界に対し、航空供給力の回復を急ぎ、地域の強みを積極的に生かしながら国際線ネットワークを最大限に拡大するよう呼びかけました。
広東・香港・マカオ大湾区の「世界への玄関口」として
香港国際空港は、広東・香港・マカオ大湾区と世界を結ぶ重要なゲートウェイとして位置づけられています。リー行政長官は、空港が地域の社会・経済発展において戦略的な役割を担っていると述べ、今回の三本滑走路システムの運用開始は、その役割をさらに高める一歩だとしています。
運用開始の式典には、中国交通部の徐成光副部長や中国民用航空局の梁楠副局長も出席し、香港が国家の発展により良く融合していくことへの支持が示されました。こうした後押しは、香港が大湾区の一員として国際的なつながりを広げていくうえで重要な意味を持ちます。
約1,415億香港ドルの巨大インフラ計画
三本滑走路システムの建設は、総額約1,415億香港ドル(約181億8,000万米ドル)と見積もられる大型プロジェクトです。工事は2016年8月に始まり、近年の香港で最大級のインフラ事業のひとつとされています。
プロジェクトには次のような要素が含まれます。
- 全長3,800メートルの第3滑走路
- 第2ターミナルの旅客ビル拡張
- 新しいコンコース(搭乗棟)の建設
- 自動旅客移動システム(ピープルムーバー)
- 新たな手荷物処理システム
第3滑走路自体は、2022年7月に先行して運用が開始されており、今回、関連施設を含む三本滑走路システム全体が本格稼働に移った形です。
空港管理局は「マイルストーン」と評価
香港空港管理局のフレッド・ラム会長は、三本滑走路システムの運用開始を「大きなマイルストーン」だと評価しました。広範な航空ネットワークをさらに拡大できる条件が整うことで、香港が国際航空ハブとしての地位を固めることにつながると述べています。
路線数や便数の増加が進めば、ビジネス客、観光客ともに選択肢が増え、企業にとっては輸送ルートの多様化やリードタイム(納期までの時間)の短縮にもつながる可能性があります。
私たちの生活とビジネスに何をもたらすか
今回のニュースは、航空業界にとどまらず、日常生活やビジネスにもじわじわと影響していく可能性があります。
ビジネス・物流への影響
- アジアと欧米を結ぶ貨物輸送の選択肢が増え、企業の物流戦略に変化が生じる可能性
- 広東・香港・マカオ大湾区内の製造業やサービス産業が、よりスムーズに海外市場とつながることへの期待
サプライチェーンの安定性やスピードが重視されるなかで、香港国際空港の処理能力拡大は、地域全体の競争力に関わるテーマでもあります。
旅行者の体験の変化
- 増便や新規路線の開設が進めば、経由地としての選択肢が広がる可能性
- ターミナル拡張や新コンコースにより、乗り継ぎ動線や空港サービスの改善が期待される
仕事や留学、観光でアジアと世界を行き来する人にとって、空港インフラの変化は「移動のしやすさ」に直結するテーマです。
これから注目したい3つのポイント
三本滑走路システムが本格的に動き出した今、今後のニュースで特に注視したい点を整理します。
- 旅客数と貨物量の推移:想定される1億2,000万の旅客トリップ、1,000万トンの貨物処理にどこまで近づくのか。
- 大湾区との連携:広東・香港・マカオ大湾区の各都市とのアクセスがどのように強化されるのか。
- 運営と持続可能性:効率化やデジタル化、環境負荷の低減に向けた取り組みがどのように進むのか。
香港国際空港の三本滑走路システムは、単なる空港拡張ではなく、地域と世界をどう結び直すかという問いともつながっています。今後の運用状況や政策の動きにも、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com







