中国が米国の新たな半導体輸出規制を強く非難 サプライチェーンへの懸念
米国政府が中国向けの半導体輸出規制をさらに強化したことを受け、中国商務省が8日、強く反発しました。世界のサプライチェーンの安定にも影響しかねない動きとして、国際的な注目が集まっています。
米国の新たな半導体輸出規制に中国が抗議
中国によると、今回の措置は、中国向けの半導体製造装置や記憶用半導体に対する輸出規制を一段と強める内容です。中国商務省の報道官は、これらの新たな規制に対し深刻な懸念を表明し、強く非難しました。
規制強化のポイント
中国側の説明によれば、米国の今回の措置には次のような点が含まれています。
- 半導体製造装置に対する輸出管理の一層の強化
- 記憶用半導体(ストレージチップ)への規制拡大
- 中国の企業や研究機関など136の主体を、輸出管理上のエンティティ・リストに新たに追加
このエンティティ・リストは、米国が輸出を制限する対象をまとめたリストで、中国側はその拡大に強く反発しています。
中国側の主張 経済的な威圧とロングアーム管轄
商務省の報道官は、米国が自国の法律を第三国との取引にまで及ぼすロングアーム管轄を行使し、中国と第三国との通常の貿易を妨げていると指摘しました。こうした行為は、経済的な威圧であり、公正な市場競争をゆがめる不当な慣行だと批判しています。
中国政府は、今回の規制強化を一方的な措置だと位置づけ、国際的な経済ルールや国際経済秩序にも反すると主張しています。
グローバルな半導体サプライチェーンへの懸念
中国側は、半導体産業が高度にグローバル化された産業である点を強調しています。設計、製造、装置、素材など、さまざまな工程に複数の国や地域の企業が関わっており、一国による一方的な規制が、国境を越えた取引全体に波及しかねないという見方です。
中国政府は、米国の今回の措置が、各国の間の正常な貿易を深刻に妨げ、市場ルールや国際経済秩序を損ない、グローバルなサプライチェーンの安定性を脅かしているとしています。
影響を受けるのは誰か 米企業への打撃も指摘
商務省の報道官は、今回の規制強化で不利な立場に置かれるのは中国側だけではないと指摘しました。中国市場へのアクセスが制限されれば、米国の半導体装置メーカーや部品供給企業にとっても、売上や研究開発投資に影響が出る可能性があるためです。
半導体は、スマートフォンやパソコンだけでなく、自動車、産業機器、クラウドサービスや生成AIなど、幅広い分野を支える基幹部品です。世界の半導体供給網に揺らぎが生じれば、日本を含む他の国や地域のメーカーや利用者にも、価格の変動や製品供給の遅れといった形で波及する可能性があります。
中国は必要な措置を取ると表明 今後の焦点
中国は、自国の正当な権益を守るために必要な措置を取ると表明しており、今後どのような対応に踏み切るのかが焦点となります。追加的な制度変更や対抗措置の内容によっては、米中双方の企業活動やグローバルな投資環境にも影響が広がることが考えられます。
半導体をめぐる輸出管理は、技術、安全保障、経済が複雑に絡み合うテーマです。日本やアジアの企業・投資家にとっても、米中の動きと各国の政策を丁寧にフォローし、自社のサプライチェーンやビジネス戦略を継続的に見直していくことが、これまで以上に重要になりつつあります。
Reference(s):
cgtn.com








