中国が農村重視の現代型流通網へ 2027年までの行動計画とは
中国が卸売・小売などの「流通システム」を近代化し、とくに農村部の市場や物流の底上げを図る行動計画を公表しました。2027年までに、都市と農村、国内市場と海外市場をより密接につなぐことをめざします。
2027年までに効率的な貿易流通システムを構築
行動計画は、中国商務省とほか8部門が共同で発表したもので、高品質な卸売・小売産業の発展を通じて、国内外の市場をつなぐ「貿易流通システム」の高度化を目標に掲げています。2027年までに、国内の生産と販売、都市と農村、内需と外需がよりスムーズにつながる包括的で効率的な仕組みづくりを進めるとしています。
計画では、8つの重点プロジェクトが示され、その先頭に農村市場のアップグレードが置かれています。地方の小規模な店舗や市場の改装・機能強化、農村部での物流や配送網の整備などを通じて、農村の消費を底上げし、生産地から都市部までの流れを太くするねらいがあります。
農村市場を起点に物流・コールドチェーンを強化
とくに農産物については、鮮度を保ったまま消費地まで運ぶコールドチェーン(低温物流)の強化が柱の一つです。現在、農村から都市への流通過程で、低温管理の途切れや設備不足が課題となっており、そのすき間を埋めようとしています。
県・郷・村レベルで物流網を再設計
行動計画は、県、郷(タウンシップ)、村の各レベルで物流・配送ネットワークを整備し、農村と都市の間の輸送をより効率的にする方針を示しています。小さな集落からも安定して荷物を出し入れできるようにすることで、農産物だけでなく日用品やネット通販の商品も動きやすくなるとみられます。
果物・野菜25%、肉45%のコールドチェーン率へ
農産物のコールドチェーン化については、具体的な目標値も示されています。
- 果物・野菜:コールドチェーン経由の流通率を25%に引き上げる
- 肉製品:同45%まで高める
これにより、輸送中の品質劣化や食品ロスの削減が期待されます。農家にとっては、より高い価格での販売機会につながり、消費者にとっては安定した価格と品質の向上につながる可能性があります。
デジタル化・自動化・サステナビリティを同時に進める
行動計画は、農村市場の整備に加え、商流と物流のデジタル化、自動化、環境負荷の低減(サステナビリティ)を総合的に進める方針も打ち出しています。国内と海外の市場を一体的にとらえた統合的な発展がキーワードとなっています。
具体的な手段はこれから明らかになっていく部分もありますが、一般的には次のような取り組みが想定されます。
- オンラインとオフラインを結ぶ販売プラットフォームの構築
- 倉庫や配送センターの自動化による人手不足の補完
- 再生可能エネルギー活用や省エネ設備の導入による物流のグリーン化
こうした動きは、卸売や小売の現場だけでなく、製造業や農業、さらには越境電子商取引などにも波及していく可能性があります。
日本や世界にとっての意味は?
今回の行動計画は、中国国内の消費拡大と産業高度化を同時にねらうものといえます。都市部に集中しがちな商業インフラを農村部にも広げることで、国内市場全体の層の厚みを増そうとしている点が特徴です。
日本を含む海外の企業にとっては、次のような点が注目ポイントになりそうです。
- 農村部を含む新たな消費市場の拡大
- コールドチェーン強化による食品輸出入の安定化
- デジタル化された物流網との連携ビジネスの可能性
2027年まで残りおよそ2年となる中で、どこまで具体的な成果が見えてくるのか。農村振興と流通の近代化を両輪とした今回の取り組みは、中国経済の次のステージを占う一つの材料となりそうです。
Reference(s):
China pushes for modern trade system, prioritizing rural areas
cgtn.com








