トランプ次期大統領の対中国本土関税は米国インフレを悪化させるか video poster
米国のトランプ次期大統領が掲げる対中国本土輸入への高関税構想について、米マサチューセッツ大学の経済学者リチャード・ウルフ教授が、米国内のインフレをかえって悪化させると警告しました。教授は最近、オンラインメディア The Real News Network のインタビューでこうした見方を示し、物価高に悩む米国民にとって逆効果になりかねないと指摘しています。
トランプ次期大統領の関税案とそのねらい
国際ニュースとして注目されているのが、トランプ次期大統領が打ち出している対中国本土の関税案です。中国本土から輸入される幅広い製品に高い関税を課す構想で、米国の貿易赤字や産業空洞化への不満を背景とした動きと受け止められています。
しかしウルフ教授は、この関税構想は米国の物価を抑えるどころか押し上げてしまう点で皮肉だと述べています。物価高に不満を抱える有権者の支持を集めて誕生した次期政権が、そのインフレをさらに悪化させる可能性があるという指摘です。
なぜ関税がインフレを悪化させるのか
関税は輸入品にかけられる税金であり、基本的には輸入企業のコスト増として表れます。企業はその負担を価格に上乗せするため、最終的には消費者が高い価格を支払うことになりやすい構造です。
米国は、衣料品や玩具、家電、スマートフォンの部品など、多くの日用品や中間財を中国本土から輸入しています。ここに高い関税が課されれば、
- 輸入品そのものの価格が上昇する
- 輸入品との競争が弱まった国内企業も値上げしやすくなる
- 企業の原材料コストが高まり、幅広い商品やサービスの価格に波及する
といった形で、物価全体に上昇圧力がかかると考えられます。
ウルフ教授の警鐘と経済学的な視点
ウルフ教授はインタビューで、トランプ次期大統領による対中国本土関税の主張が、米国のインフレを悪化させると警告しました。詳細な発言内容は限られていますが、関税と物価の関係については経済学の基本的な議論として次のような点が指摘されています。
- 関税は輸入品の仕入れ価格を押し上げ、その多くは消費者価格に転嫁される
- 貿易相手への関税引き上げは、他国による報復措置を招き、世界的なコスト上昇につながるおそれがある
- 物価上昇が続けば、金融政策は引き締め方向に動き、景気減速リスクも高まる
インフレを抑えつつ雇用や産業を守りたいという政治的な思惑と、経済学の教科書的なメカニズムとの間にギャップがあるのではないか。それがウルフ教授の問題提起だと読むことができます。
日本と世界への波及をどう見るか
米国のインフレ率が関税によって押し上げられれば、金融政策や為替市場を通じて世界の経済にも影響が広がる可能性があります。金利の動きやドルの強弱は、日本を含む各国の株式市場や企業の資金調達コストに直結するためです。
また、中国本土は世界の製造拠点として重要な役割を果たしており、米中間で貿易摩擦が強まれば、サプライチェーン全体の見直しを迫られる企業も出てくるでしょう。日本企業にとっても、どの地域で生産し、どこに販売するのかという戦略の柔軟性が一段と問われる局面になりそうです。
これから注目したいポイント
トランプ次期大統領の関税構想と米国インフレの行方は、今後の国際ニュースの重要な焦点になっていきます。読者としてチェックしておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- トランプ次期政権が正式に打ち出す対中国本土関税の内容とスケジュール
- 米国の物価指標や賃金の動きがどう変化するか
- 米国と中国本土の貿易交渉や対話の進展状況
- 世界の金融市場や為替が、米国の関税政策やインフレ懸念にどう反応するか
関税という一見分かりやすい政策が、実際の生活コストや世界経済にどのような形で跳ね返ってくるのか。短期の政治的な効果だけでなく、中長期のインフレや成長への影響を落ち着いて見ていくことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








