中国の業界団体、米国製半導体の調達に慎重対応を要請
米国の半導体輸出規制をめぐり、中国の主要業界団体が相次いで反発し、国内企業に米国製チップの調達で慎重な対応を求めています。サプライチェーンと国際協力にどんな影響が出るのでしょうか。
米国の半導体輸出規制に中国の業界団体が反発
中国の複数の業界団体が、米国による最新の半導体輸出管理措置に対し強い懸念を示し、米国製チップの調達に注意を払うよう国内企業に呼びかけました。
声明を発表したのは、次の4団体です。
- China Semiconductor Industry Association(CSIA)
- China Association of Automobile Manufacturers(CAAM)
- Internet Society of China(ISC)
- China Association of Communication Enterprises(CACE)
これらの団体は今週火曜日、それぞれ個別の声明を出し、米国が輸出管理措置を乱用していると強く批判しました。
半導体業界:米国製チップの信頼性に疑問
半導体業界団体のCSIAは、米国による対中輸出管理がサプライチェーンに混乱をもたらし、米国企業自身のコストも押し上げていると指摘しています。
その結果として、米国製チップの安定供給が損なわれ、安全で信頼できる選択肢とは言えなくなっていると主張しました。こうした状況を踏まえ、CSIAは関連する中国の産業に対し、米国からのチップ調達に慎重を期すよう求めています。
自動車業界:米国企業への信頼低下と協力の呼びかけ
自動車業界の団体であるCAAMも、CSIAの懸念と呼びかけを共有すると表明しました。声明では、中国の自動車産業において、米国企業から半導体製品を調達することへの信頼と自信が揺らいでいるとしています。
一方でCAAMは、世界の半導体企業に対し、中国の自動車企業や半導体企業との連携を強化するよう呼びかけています。具体的には、
- 中国への投資
- 共同での研究開発
- 中国市場での成長機会の共有
などを通じて協力関係を深めることを歓迎するとしています。
通信・インターネット分野:重要インフラの安全確保を重視
通信関連の業界団体であるCACEは、重要な情報インフラのサプライチェーンの安全性について、政府に調査を行うよう求めています。そのうえで、こうしたインフラが安全かつ安定して運用されるよう、強力な措置の導入を促しました。
インターネット分野をカバーするISCも、産業の安全と持続可能な発展の重要性を強調しています。ISCは、中国のインターネット産業の安全性と安定性、そして長期的な発展を確保するためとして、国内企業に次のような対応を提案しました。
- 他の国や地域の半導体企業との協力拡大
- 中国国内で生産される半導体を積極的に活用すること(国内企業製と海外企業製の双方を含む)
見えてきた流れ:米国依存のリスクと調達の多様化
今回の一連の声明からは、米国の最新の輸出管理措置を受けて、中国の複数の産業が米国製チップへの依存リスクを強く意識し始めている様子がうかがえます。
特に、
- 半導体そのものの供給の安定性
- 自動車産業における米国企業への信頼の揺らぎ
- 通信・インターネットなど重要インフラの安全保障
といった観点から、調達先の見直しや供給網の多元化が課題として浮上しています。
CAAMが世界の半導体企業との連携強化を訴え、ISCが国際協力と国内生産の活用を同時に呼びかけていることは、中国市場の中で開放的な協力を維持しつつ、特定の国への過度な依存を避けようとする姿勢を示しているとも言えます。
国際ビジネスへの含意
半導体は、自動車、通信、インターネットをはじめ、さまざまな産業の基盤となる重要な要素です。今回のように、主要な需要国・供給国の間で調達や信頼をめぐる議論が高まることは、世界のサプライチェーン全体に影響を及ぼしうる動きです。
中国の業界団体が示したメッセージは、
- 米国製チップ調達に対する慎重姿勢
- 中国国内やその他の国・地域の半導体企業との協力強化
- 重要インフラの安全性を重視したサプライチェーン再点検
という3つの方向性を打ち出しています。今後、米国製チップの位置づけや、中国で事業を展開する世界の半導体企業の戦略がどのように変化していくのか、引き続き注目されます。
国際ニュースとしてのこの動きは、中国の産業の動きだけでなく、グローバルなサプライチェーンの見直しという、より大きな流れの一端でもあります。各国や地域の企業や政策担当者が、リスクと協力のバランスをどのように取っていくのかが今後の焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








