中国が米国の半導体輸出規制を非難 140社指定の波紋
2024年12月初旬、米国が中国企業への半導体輸出規制をさらに強化したことに対し、中国商務省や主要業界団体が一斉に反発しました。世界の半導体サプライチェーンに影響しかねない動きとして注目されています。
140社を対象とした米国の新たな輸出規制
米国商務省は月曜日、中国の企業140社をいわゆるエンティティ・リストに追加しました。このリストに掲載されると、米国からの輸出に厳格な管理がかかり、事実上、半導体製造装置や高帯域メモリ(HBM)チップなど先端技術の取引が大きく制限される可能性があります。
今回の措置では、半導体製造装置や高性能メモリチップが主な対象とされ、中国向けの供給に新たな不確実性が生じたとされています。
中国商務省「市場ルールと国際貿易秩序を乱す」
こうした動きに対し、中国商務省の報道官は木曜日、米国の最新の輸出規制は市場のルールと国際貿易秩序を乱すものだと強く批判しました。また、この規制は半導体分野の貿易活動に不確実性をもたらすとし、中国として必要な措置を取り、自国の正当な権益を守る姿勢を示しました。
中国の業界団体「米国製チップの信頼性に疑問」
中国国内の主要な業界団体も相次いで声明を出し、米国の輸出管理の頻繁な見直しが、米国製チップの信頼性と安全性を損なっていると指摘しました。声明を出したのは、通信、半導体、自動車、インターネットの4つの業界団体です。
- インターネット協会は、中国企業に対し、他の国や地域の半導体企業との協力を拡大し、中国国内の地場企業や海外資本が関わる企業が生産したチップの活用を促しました。
- 中国自動車工業協会は、中国の自動車メーカーに対し、米国製チップの調達には注意が必要だと呼びかけ、これらの製品はもはや十分に安全で信頼できるものとは言い難いとの認識を示しました。
- 中国半導体業界協会は、米国の一方的な措置は中国と米国、双方の企業の利益を損なうだけでなく、世界の半導体サプライチェーン全体のコストを大きく押し上げていると主張しました。
- 中国通信企業協会も同様の懸念を表明し、産業全体の供給網の安定を守る必要性を強調しました。
サプライチェーン分断はどこまで進むのか
今回の一連の動きは、中国企業に対し、米国製チップへの依存度を下げ、調達先を多様化するよう促す内容となっています。長期的には、半導体サプライチェーンが地域ごとに分かれ、調達や開発にかかるコストが増大する可能性があります。
一方で、各国や各地域の企業にとっては、一社や一地域に偏らない調達戦略や在庫管理、技術提携の見直しが、これまで以上に重要になりそうです。
日本の読者が押さえておきたい視点
半導体は、自動車、スマートフォン、データセンター、生成AIなど、現代の産業や生活を支える基盤技術です。米国と中国の間で輸出規制などの措置が重なれば、日本を含む第三国の企業も、調達や販売戦略の再考を迫られる可能性があります。
今回の中国側の反応は、単なる米中の対立構図というよりも、企業がどの国の技術や部品に依存するのかを改めて問い直す段階に入ったことを示しているとも言えます。今後、中国がどのような「必要な措置」に踏み切るのか、そして各国の企業がどこまでサプライチェーンの分散を進めるのかが大きな焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








