中国の新しい消費トレンド テクノロジーが生む体験型サービス
中国で、テクノロジーを組み合わせた新しい消費トレンドが広がっています。万里の長城を空から眺めるツアーや、3Dプリンターで作られた深さ16メートルのプールなど、デジタル経済時代の「新消費シナリオ」が次々と登場しています。
空から楽しむ観光体験が示す「新消費」の姿
北京市延慶区の万里の長城では、訪れた人が空から景観を楽しめる新しいサービスが用意されています。いわば「空の散歩」として、従来とは異なる視点から歴史的な景勝地を体験できるようになっています。
同様のツアーは、浙江省の夏竹湖国家湿地公園でも見られます。ここでは、ヘリコプターに乗って湿地を上空から眺めることができ、自然豊かなエリアを別の角度から楽しめるよう工夫されています。
AIやブロックチェーンがつくる「新消費シナリオ」
こうした事例は、中国各地で広がる「新しい消費シナリオ」の一部です。人工知能(AI)、ブロックチェーン、ビッグデータなどの先端技術を活用し、デジタルとリアルを融合させたサービスが、観光やレジャー、小売などさまざまな分野に広がりつつあります。
これらの技術を組み合わせることで、企業は一人ひとりの嗜好に合わせた高度にパーソナライズされた体験や、双方向で楽しめるインタラクティブなサービスを提供できるようになっています。
例えば、3Dプリンターや仮想現実(VR)の技術が成熟することで、消費者は商品のデザインプロセスに参加し、自分の好みに合わせたカスタマイズを行えるようになると指摘されています。
16メートルの3Dプリントプールが象徴する「体験型」消費
北京市内のショッピングモールでは、3Dプリンター技術を用いて深さ16メートルのプールがつくられ、利用者は没入感の高い水中体験を楽しめます。買い物の場が、単に商品を購入するだけの空間から、特別な体験を提供する場へと変化しつつあることを象徴する例です。
このプールを体験した消費者の一人であるWuさんは「本当に特別な体験だった。前からこういう場所を探していた」と話しており、日常の中で非日常を求めるニーズを映し出しています。
専門家「新消費はデジタル経済の象徴」
蘭州大学のBao Haixu教授は「新しい消費はデジタル経済の象徴だ」と述べています。これは、単に消費者の習慣が変化しているだけでなく、デジタル技術を前提としたまったく新しい消費のパラダイム(枠組み)が生まれているという見方です。
Bao教授によれば、3Dプリンターや仮想現実の技術が成熟することで、消費者は商品の設計段階から関わることができ、個人の好みに合わせたカスタマイズが可能になります。こうした仕組みは、モノを買う行為そのものを「一緒につくる体験」へと変えていきます。
日本の読者へのヒント:消費は「モノ」から「体験」へ
中国で広がる新しい消費シナリオは、日本を含む他の国や地域の読者にとっても示唆に富んでいます。単に商品を販売するのではなく、テクノロジーを使ってどのような体験や物語を提供できるかが、今後の消費を考えるうえで重要になりそうです。
通勤時間やスキマ時間にスマートフォンでサービスを選び、週末には非日常の体験を楽しむというライフスタイルが広がる中で、中国の事例は、デジタル技術と消費をどう組み合わせていくかを考える一つの参考例と言えます。
Reference(s):
China's new consumption trends use tech to offer novel experiences
cgtn.com








