中国東北部の氷雪観光が加速 ハルビンでビザなし144時間に拡大
中国の国家発展改革委員会は木曜日、中国東北部の氷雪観光を高品質に発展させるための行動計画を発表しました。ハルビンでのビザなしトランジット延長など、冬の観光を後押しする施策が並びます。
ハルビンでビザなしトランジットを144時間に延長
今回の行動計画では、中国東北部の中心都市ハルビンで、外国人旅行者向けのビザなしトランジット制度を拡充することが盛り込まれました。
ハルビンを経由して他の目的地へ向かう外国人は、これまで72時間までビザなしで滞在できましたが、この上限が144時間へと延長されます。約3日間から6日間へと滞在可能時間が倍増することで、市内観光や近郊の氷雪観光をゆっくり楽しむ余地が広がります。
短時間の乗り継ぎ都市から、数日間滞在して冬の魅力を体験できる都市へ。ハルビンの位置付けが変わりつつあることが、この制度変更から見えてきます。
東北地域全体でビザ免除政策を調整
行動計画は、ハルビンだけでなく、中国東北部の他の地域でもビザ免除トランジット政策を調整していく方針を示しています。ハルビンの制度に合わせてルールをそろえることで、同地域内での周遊旅行をしやすくするねらいが読み取れます。
例えば、ハルビンを入口として別の都市へ移動し、再びハルビンから出国するようなルートでも、ビザ手続きに煩わされずに旅程を組みやすくなることが期待されます。氷と雪をテーマにした広域観光圏づくりが意識されていると言えるでしょう。
北京圏や長江デルタ、大湾区から「冬を楽しむ」旅を誘致
国内旅行の面でも、行動計画は中国東北部への観光客誘致を強化する方針です。具体的には、次のような地域から冬の旅行需要を積極的に取り込むとしています。
- 北京・天津・河北から成る北京天津河北地域
- 上海などを含む長江デルタ地域
- 広東・香港・マカオ大湾区
- その他の中国各地
いずれも人口と経済活動が集積する地域であり、冬のレジャーとして氷雪観光に出かける潜在的な旅行者が多いエリアです。東北部の都市や観光地にとっては、これらの地域をどう魅力的にアピールするかがカギになりそうです。
特別な地方休日や旅行プラットフォームとの連携
行動計画は、氷雪観光を後押しするために、地方ごとに独自の施策を打ち出すことも支援するとしています。その一つの例として挙げられているのが、特別な地方休日の設定です。
特定の期間を「氷雪観光デー」のような形で位置付ければ、学校や企業の休暇と合わせて旅行計画を立てやすくなります。地元の祭りやイベントと組み合わせることで、地域らしさを打ち出すこともできそうです。
あわせて、旅行プラットフォームとの協力強化も盛り込まれました。オンラインの予約サイトやアプリと連携し、氷雪観光の商品づくりや情報発信を進めることで、国内外の旅行者が目的地を選びやすくなる効果が見込まれます。
2023~2024年冬、ハルビンで起きた「ホットな経済」
こうした政策の背景には、すでに表れつつある氷雪観光の勢いがあります。ハルビンは、中国の冬季観光の代表的な目的地となりつつあり、2023~2024年の冬シーズンにはその存在感が数字に表れました。
この冬の期間中、ハルビンは延べ8700万人以上の来訪を受け、前年同期比で300%という大幅な増加となりました。観光収入は1248億元(約174億ドル)に達し、前年からの伸び率は500%に上りました。
氷と雪という自然資源が、観光を通じて東北部にもたらした経済効果はまさに熱気を帯びています。現地では、こうした動きを指して「ホットな経済」という表現も使われています。
静かに広がる氷雪観光の可能性
ビザなしトランジットの拡充、国内の主要地域からの誘致、特別な地方休日、そして旅行プラットフォームとの連携――。今回の行動計画は、制度やデジタルの仕組みを組み合わせながら、冬の観光を持続的な産業へと育てていこうとする試みと言えます。
雪や氷を資源として持つ地域にとって、どのように人の流れを生み出し、地元の経済や暮らしにつなげていくかは共通の課題です。中国東北部の取り組みは、その一つのモデルとして、今後どのように展開していくのか注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








