中国・オルドスの緑の経済 砂漠から生まれるエコと成長の新モデル video poster
国連砂漠化対処条約(UNCCD)第16回締約国会議(COP16)の開催にあわせて、中国内モンゴル自治区オルドス市の「緑の経済」への取り組みが注目されています。砂漠地帯で、環境保全と経済成長の両方を成り立たせようとする現場では、どのような変化が起きているのでしょうか。
砂漠と向き合う都市・オルドスが映す2025年の課題
中国の内モンゴル自治区にあるオルドス市は、砂漠地帯に位置する都市です。2025年の今、砂漠の広がりをどう抑えながら、人々の暮らしと地域経済をどう支えるかは、世界共通の課題でもあります。国際会議とあわせて現地の取り組みを見てみると、砂漠地帯だからこそ生まれる新しいビジネスのヒントが浮かび上がります。
sea buckthornがつくる「エコと収入」の二重の効果
番組BizTalkの企画では、中国国際テレビのキャスターであるMichael Wang氏が、オルドス市のsea buckthorn(シーバックソーン)のプランテーションを訪れています。現地で栽培されているsea buckthornは、砂漠化を食い止める役割を持つと同時に、地域に大きな経済価値をもたらす存在として紹介されています。
砂漠地帯では、植生を回復させる取り組みがそのまま新しい産業につながることがあります。sea buckthornのように環境を守る作物が、加工品や関連サービスなどを通じて地域の雇用や収入源になれば、住民にとっても「守るほどに稼げる」仕組みが生まれます。オルドスの事例は、その可能性を具体的に示していると言えます。
クブチ砂漠周辺のハイテク農業 高品質な青果と観光を両立
オルドス市に近いクブチ砂漠の周辺では、ハイテク農業を活用して高品質な果物や野菜を生産する取り組みも伝えられています。砂漠の厳しい自然条件の中でも、技術を活用することで安定して作物を育てられるようにし、その成果を地域の自信とブランドにつなげていこうとする発想です。
こうしたハイテク農業は、単に農産物を出荷するだけでなく、観光業の発展にもつながっています。クブチ砂漠の景観と、最新技術を取り入れた農場や施設を組み合わせることで、「砂漠を見に行くだけ」ではない新しい観光のかたちが生まれつつあるとされています。
国際会議とローカルな現場が示すもの
国連砂漠化対処条約の締約国会議では、砂漠化をどう防ぎ、土地の劣化を食い止めるかが各国と地域の共通テーマになっています。オルドス市のような砂漠地帯の都市が、緑の経済を通じてエコと成長の両立を模索していることは、国際社会の議論とも響き合う動きです。
砂漠を抱える地域の多くは、人口流出や産業の選択肢の少なさといった課題にも直面します。そうした中で、sea buckthornのプランテーションやハイテク農業、観光を組み合わせた取り組みは、地域の強みを活かしながら新しい雇用と投資を呼び込もうとする試みと見ることができます。
オルドスの事例から考える「緑の経済」のヒント
オルドスの動きは、日本を含む他の国と地域にとっても、持続可能な経済づくりを考えるうえで参考になる点が多そうです。特に次のような視点は、どの地域にも応用できる可能性があります。
- 環境対策をコストではなく、将来の収入と雇用につながる投資として捉える視点
- 砂漠など厳しい自然条件を「弱点」ではなく、特色ある産業や観光資源として生かす発想
- 農業、観光、サービス産業など複数の分野を組み合わせて、地域全体で価値を高めるアプローチ
2025年の今、気候変動や土地劣化が進む中で、「環境を守るか、経済を優先するか」という二者択一の議論だけでは限界が見えつつあります。オルドスで模索されているような、緑の経済を通じた「両立」のアイデアは、これからの地域づくりやビジネスを考えるうえで、一つのヒントになりそうです。
砂漠の都市オルドスから始まっている小さな変化が、国際会議の議論や私たちの日々の選択とどうつながっていくのか。ニュースをきっかけに、自分の街の「緑の経済」を思い描いてみる時間を持ってみてもよいかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








