中国本土の11月CPIは前年比0.2%上昇 食品安で伸び鈍化、生産者物価は下げ幅縮小
中国本土の2025年11月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.2%上昇し、生産者物価指数(PPI)の下落幅も縮小しました。インフレの緩やかな上昇と企業物価の下げ止まりの兆しが同時に示された形です。
11月CPIは前年比0.2%上昇、10月から伸び鈍化
中国国家統計局(National Bureau of Statistics, NBS)は月曜日、2025年11月のCPIが前年同月比0.2%の上昇となったと発表しました。物価の全体的な動きを示すこの指標は、10月の0.3%上昇から伸びがやや鈍化しています。
NBSの董莉娟(Dong Lijuan)首席統計官は、物価上昇のペースが弱まった主な要因として、食品価格の上昇が鈍ったことを挙げています。
暖かい11月が食品価格を押し下げ
中国民生銀行の温彬(Wen Bin)チーフエコノミストは、11月の気温が平年より高めだったことが農業生産と物流を後押しし、生鮮野菜や豚肉、果物、海産物などの供給を増やしたと分析しています。その結果、これら食品の価格が下落し、CPI全体の押し上げ圧力を和らげたとみられます。
食品価格は家計の体感インフレに直結する分野です。供給がスムーズに確保され価格が落ち着いたことは、消費者にとっては負担軽減につながる一方で、物価全体の勢いは抑えられる形になりました。
非食品分野ではサービス価格が弱含み
温氏によると、非食品分野では、より寒い天候の影響で観光や旅行が減少し、サービス価格が下落しました。宿泊や交通、観光関連サービスの需要が一部で落ち込んだことが、非食品価格の押し下げ要因になったとされています。
このように、同じ11月でも、暖かさが農産品の供給を支えた一方で、寒さの影響が旅行や観光需要を冷やすなど、気象条件が分野ごとに異なる形で物価に影響したことがうかがえます。
PPIの下落幅縮小が示すもの
11月は、生産者物価指数(PPI)の下落幅が前月から縮小したことも伝えられています。PPIは企業が出荷する段階の価格を示す指標で、原材料や中間財の価格動向を映します。
下落幅の縮小は、企業の仕入れ・出荷価格の落ち込みがやや和らぎつつある可能性を示唆します。まだ具体的な数字は明らかにされていませんが、CPIが小幅なプラスを維持する中でPPIの下げ幅が縮むことは、物価環境が徐々に安定方向に向かう兆しとして受け止められる余地があります。
投資家・実務家が押さえておきたい3つのポイント
今回の中国本土の物価統計から、特に次の3点は意識しておきたいところです。
- CPIはプラス圏を維持しているものの、伸びは0.2%と極めて小さく、インフレ圧力は限定的であること。
- 食品価格は暖かい気候などを背景に落ち着く一方で、サービス価格は旅行・観光の減少で下押しされるなど、分野ごとに物価の方向感が異なっていること。
- PPIの下落幅が縮小しており、企業物価の下げ止まりにつながるかどうかが今後の焦点となること。
今後の物価動向を見るうえで
中国本土の物価動向は、同国の金融政策だけでなく、世界の需給や資源価格、貿易環境にも影響を与えます。CPIとPPIの両方が大きな振れを見せていないことは、現時点では物価面での極端なリスクは限定的と受け止めることもできます。
一方で、CPIの伸びがごく小幅にとどまっていることは、需要の強さや景気の持続力を考えるうえで、引き続き注視が必要であることも示しています。今後の月次データを追いながら、食品やサービス、工業製品など分野別の動きとあわせて、物価と景気のバランスを丁寧に見ていくことが重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








