中国の対外貿易が4.9%増 2024年1〜11月の輸出入を読み解く
中国の対外貿易が2024年1〜11月に前年同期比4.9%増と堅調な伸びを示しました。約1年前の統計を振り返りながら、中国経済と国際貿易の流れを日本語で整理します。
2024年1〜11月の対外貿易、4.9%増の39.79兆元
税関統計によると、2024年1〜11月の中国の貨物貿易総額は39.79兆元(約5.49兆ドル)で、前年同期比4.9%増となりました。
内訳は次の通りです。
- 輸出:23.04兆元(前年比6.7%増)
- 輸入:16.75兆元(前年比2.4%増)
輸出の伸びが輸入を上回っており、外需が中国経済を下支えしていた姿が読み取れます。輸出入ともにプラス成長で、貿易全体として拡大基調にあったことが分かります。
一般貿易と加工貿易がともに拡大
同じ期間の貿易形態別では、一般貿易と加工貿易の双方でプラス成長となりました。
- 一般貿易:25.5兆元(前年比3.7%増、全体の64.1%)
- 加工貿易:7.22兆元(前年比3.6%増、全体の18.1%)
一般貿易は、企業が自らの名義と責任で輸出入を行う、ごく一般的な取引形態を指します。加工貿易は、原材料や部品を輸入し、中国国内で組み立て・加工して再輸出する形態です。
一般貿易の比率が6割を超えていることは、中国国内の産業基盤や市場を生かした取引が貿易全体をけん引していたことを示しています。一方で加工貿易も堅調に増加しており、グローバルな分業体制の中で中国が重要な生産拠点であり続けていることがうかがえます。
主要な貿易相手:ASEANがトップに
2024年1〜11月期の中国の主な貿易相手は、順にASEAN、欧州連合(EU)、アメリカ、韓国でした。いずれとの貿易額も前年から増加しています。
- ASEAN:貿易額が前年比8.6%増
- EU:1.3%増
- アメリカ:4.2%増
- 韓国:6.3%増
成長率で見るとASEANとの貿易が最も高く、東南アジアとの経済的な結び付きが一段と強まっていたことが分かります。EU、アメリカ、韓国との取引もいずれもプラスで、地域的にバランスの取れた貿易拡大となりました。
政策面の動き:輸出入の安定成長を支える措置
2024年11月、中国では対外貿易の安定的な成長を促すため、一連の政策措置が発表されました。
商務部、税関総署など関係当局は、次のような方向性の施策を打ち出しました。
- 国内貿易と対外貿易の一体的な発展を加速すること
- 港湾でのビジネス環境をさらに最適化すること
- 企業にとっての通関手続きを円滑にし、効率を高めること
こうした取り組みは、輸出企業や輸入企業の事務負担を軽減し、サプライチェーン全体のコスト削減や時間短縮につながることが期待されます。通関の円滑化や港湾環境の改善は、中小企業を含む幅広い事業者にとっても追い風になり得ます。
日本とアジアの読者にとっての意味
今回の統計は、2024年時点で中国の対外貿易が全体として拡大基調にあったことを示しています。2025年の今、この動きを振り返ることは、これからの国際ビジネス戦略を考えるうえでも意味があります。
特に、次のようなポイントは日本やアジアの企業・投資家にとって参考になるでしょう。
- ASEANとの貿易拡大により、中国と東南アジアを結ぶサプライチェーンの重要性が一段と増していること
- 一般貿易の比率が高いことから、中国国内市場を見据えた製品・サービス展開が引き続き重要であること
- 通関や港湾手続きの改善により、中国を経由した物流ルートの利便性向上が見込まれること
国際ニュースや貿易統計を日本語で丁寧に読み解くことは、自社のポジションやリスク、そして新たなビジネス機会を考えるための出発点になります。数字の背後にある構造と政策の方向性を押さえながら、2025年以降の動きを継続的にウォッチしていくことが求められます。
Reference(s):
cgtn.com








