マカオ金融監管当局、モバイル決済とGBA連携を強化 video poster
マカオの金融監管当局が、モバイル決済をはじめとする金融イノベーションと、中国本土との連携強化に一段と力を入れています。最近、マカオ金融管理局(Monetary Authority of Macao)の理事会エグゼクティブ・ディレクター、Henrietta Lau(ヘンリエッタ・ラウ)氏がCGTNのインタビューで、その方針を語りました。
マカオ金融管理局トップが語った「二つの軸」
ラウ氏が強調したのは、マカオの金融監管当局が果たすべき役割として、次の二つの軸です。
- モバイル決済などの金融イノベーションを通じて、地元の小売事業者と観光客の双方にメリットをもたらすこと
- 中国本土との金融協力を深め、域内の資金や人の流れをなめらかにすること
この二つは別々のテーマに見えますが、実際には互いに結び付いています。キャッシュレス化や新しい決済インフラは、マカオだけで完結するのではなく、中国本土との連携を前提に設計されるようになっているためです。
モバイル決済で何が変わるのか
マカオでは観光を中心に、日常の支払いでもモバイル決済のニーズが高まっています。金融監管当局がモバイル決済を積極的に後押しする狙いには、次のようなポイントがあります。
- 小規模な小売店や飲食店でも、簡単に電子決済を受け付けられるようにする
- 観光客が現金の両替や細かい支払いを気にせず、スムーズに買い物やサービスを利用できるようにする
- デジタル化された決済データを活用し、不正防止やリスク管理の精度を高める
とくに観光都市であるマカオにとって、観光客が使い慣れた形で支払える環境づくりは重要です。金融監管当局が主導してルールやインフラを整えることで、民間のサービス提供者も安心して新しい決済サービスを展開しやすくなります。
中国本土との金融連携強化の狙い
ラウ氏はインタビューで、マカオの戦略として中国本土との金融連携を一段と強化していく方針も示しました。ここで鍵となるのが、規制当局同士の協力です。
マカオと中国本土の間で、資金決済や金融商品の取り扱いに関するルールや手続きがより整合的になれば、企業や観光客にとっての「見えない壁」が低くなります。これは、マカオ企業が中国本土市場にアクセスしやすくなるだけでなく、中国本土からマカオを訪れる人々にとっても利便性向上につながります。
GBA連携とマカオのポジション
ラウ氏の発言は、いわゆるGBA(粤港澳大湾区)での連携を念頭に置いたものでもあります。粤港澳大湾区は、中国本土の都市とマカオ、香港がつながる広域経済圏として位置付けられています。マカオは観光やサービス産業に強みを持つ一方で、金融分野でも周辺都市との役割分担が問われています。
モバイル決済やその他の金融イノベーションが域内でうまく連動すれば、人の移動に合わせてお金の動きもスムーズになります。マカオの金融監管当局が中国本土との協力を重視する背景には、こうした地域全体の動きを見据えた視点があります。
日本の読者にとっての意味
今回のラウ氏のインタビューは、日本の読者にとってもいくつかの示唆を与えます。第一に、観光と金融インフラをセットで考える発想です。モバイル決済のような身近な技術も、規制当局のスタンスによって普及スピードや使い勝手が大きく変わります。
第二に、地域経済圏の中での金融連携という視点です。マカオが中国本土との協力を強めようとしているように、複数の都市や地域が一つの市場として機能するには、金融監管の側にも連携や調整が求められます。
マカオの動きは、金融イノベーションと地域連携をどう両立させるかという、より広い問いを私たちに投げかけています。今後、マカオ金融管理局がどのように具体的な制度設計やサービスの支援を進めていくのか、注目していきたいところです。
Reference(s):
Macao financial regulator focuses on innovation and GBA collaboration
cgtn.com







