中国・米国の金融作業部会、第7回会合を南京で開催
中国と米国の金融当局が参加する金融作業部会の第7回会合が、江蘇省南京市で開かれました。マクロ経済から金融規制、マネーロンダリング対策まで幅広い議題が取り上げられ、両国の金融対話の現状が浮かび上がっています。
南京で第7回会合 金融当局トップらが出席
中国人民銀行によると、中国・米国の金融作業部会は江蘇省南京市で12月15日から16日にかけて第7回会合を開催しました。会合は、中国人民銀行(中央銀行)の副総裁である玄昌能氏と、米国財務省の国際金融担当次官補であるブレント・ニーマン氏が共同議長を務めました。
中国側からは、中国人民銀行に加えて、国家金融監督管理総局や中国証券監督管理委員会などの金融当局が参加しました。米国側からは、連邦準備制度理事会(FRB)や証券取引委員会(SEC)などが出席し、実務レベルでの意見交換が行われました。
マクロ経済からマネロン対策まで 幅広い議題
会合では、世界と両国のマクロ経済や金融情勢、金融政策の運営、金融システムの安定、金融規制や監督のあり方など、多岐にわたるテーマについて議論が交わされました。
さらに、国際金融機関をめぐる課題や資本市場の動向、マネーロンダリング(資金洗浄)およびテロ資金供与対策といった分野も取り上げられたとされています。双方は専門的かつ実務的なやり取りを行い、率直で建設的な意見交換を行ったほか、その他の金融政策に関する幅広い意見も交わしました。
技術的な協力分野 国際収支統計や気候モデル
今回の会合では、これまでに行われた技術的な取り組みについても報告がありました。その中には、国際収支の統計作成方法(バランス・オブ・ペイメント・コンパイル)や、気候変動が経済や金融に与える影響を試算するための気候モデルなどが含まれています。
こうした技術協力は、統計や分析手法をすり合わせることで、両国のデータや認識のギャップを縮める狙いがあるとみられます。共通の土台を整えることは、政策対話を実務レベルで支える重要なステップです。
保険分野の覚書を更新 コミュニケーション強化へ
会合の場では、保険分野での協力も一歩進みました。中国の国家金融監督管理総局と米国財務省の連邦保険局は、保険セクターに関するコミュニケーションと協力を促進するための覚書(メモランダム・オブ・アンダスタンディング)を更新しました。
覚書の更新により、保険規制や保険市場をめぐる情報共有の枠組みが明確になり、国境を越えたリスクへの対応力を高めることが期待されます。保険セクターは、自然災害や気候リスク、高齢化など、長期的な課題と深く関わる分野でもあり、国際的な対話の重要性は増しています。
米中金融対話が持つ意味
経済や安全保障をめぐる摩擦が指摘されるなかでも、金融分野での対話の場が継続していることは、国際金融市場にとって一定の安心材料となります。マクロ経済の見通しや金融規制の方向性について事前に意見を交わしておくことで、誤解や行き違いによる市場の混乱を和らげる効果が期待できます。
同時に、マネーロンダリングやテロ資金供与対策、気候変動リスクといった課題は、一国だけでは対応が難しいグローバルなテーマです。今回のような専門的で実務的な協議が積み重ねられることで、国際金融システム全体の安定と透明性を高める土台が少しずつ整っていくと言えます。
日々のニュースの陰に隠れがちな金融当局同士の対話ですが、世界経済の波をやわらげる見えにくいインフラとして、今後も注視していきたい動きです。
Reference(s):
cgtn.com








