国際ニュース:中国・ハルビン「氷の都」冬の観光ブームと氷雪経済 video poster
中国の「氷の都」と呼ばれるハルビンが、この冬の観光シーズンに向けて動き出しています。昨年、氷祭りがネットで大きな話題となった勢いを受け、今年も「氷雪経済」と呼ばれる冬の観光ビジネスが街を支えようとしており、国際ニュースとしても注目を集めています。
ハルビン「氷の都」、今年も冬の観光ブームへ
中国東北部に位置するハルビンは、氷と雪の景観で知られる都市です。気温がぐっと下がる今の時期、街全体がイルミネーションと氷像で彩られ、冬ならではの観光シーズンが本格化しつつあります。
昨年は、ハルビンの氷祭りがSNSなどを通じて世界中で話題となり、多くの観光客が訪れました。その「バズ」をきっかけに、ホテルや飲食店、観光施設などが活気づき、冬の一時期に集中する観光需要が街の重要な収入源になっています。
氷祭りが生んだ「氷雪経済」の勢い
現地では、氷や雪を活用した観光・レジャーを軸にしたビジネスを総称して「氷雪経済」と呼んでいます。氷像の展示や夜のライトアップといったイベントだけでなく、その周辺でさまざまな消費が生まれます。
- 宿泊・飲食:寒さを楽しむ観光客向けに、ホテルやレストランの需要が増加
- 交通・観光サービス:空港や鉄道、タクシー、現地ツアーなどの利用が拡大
- 文化・エンタメ:氷上スポーツ、ショー、土産物など、体験型の消費が広がる
こうした動きが積み重なり、冬の短い期間に街全体で大きな付加価値を生み出しているのが、ハルビンの氷雪経済の特徴です。
現地取材が映し出す街の変化
中国の英語ニュースチャンネルCGTNのビジネス番組「BizFocus」は、第115回の企画としてハルビンを取材しました。担当したワン・ティエンユー記者は、実際に現地を歩きながら、観光客で賑わうスポットや氷のアトラクションを体験しています。
番組では、氷と雪を活かした観光が、地元の店舗やサービス業にどのような形で利益をもたらしているのかが紹介されています。冬の観光シーズンが、単なるイベントではなく、地域の雇用や所得を支える「産業」として根付きつつある様子がうかがえます。
なぜ今、ハルビンの冬観光が国際ニュースになるのか
SNS時代の「バズ」が観光地を動かす
昨年の氷祭りが象徴するように、SNSでの拡散は、観光地のイメージを一気に世界へ広げる力を持ちます。短い動画や写真が繰り返し共有されることで、「一度行ってみたい」という気持ちが生まれ、現地への実際の訪問につながっていきます。
ハルビンのケースは、オンライン上での話題化が現地経済を直接押し上げる例として、アジアの観光戦略を考えるうえでも注目されています。
地域経済全体への波及効果
冬の観光ブームは、観光業だけで完結するものではありません。建設や物流、エネルギー、デジタルサービスなど、多様な分野に波及効果が広がります。氷像づくりやイベント運営には、多くの人材と物資が必要になり、それが地域の仕事と収入を生み出します。
こうした「季節限定」の需要をいかに持続的な成長につなげていくかは、ハルビンに限らず、多くの都市が向き合う共通のテーマです。
日本の読者への示唆:冬を「弱点」から「資源」へ
厳しい寒さや雪の多さは、しばしば生活の負担として語られがちです。一方で、ハルビンの氷雪経済は、冬そのものを「観光資源」として最大限に活かそうとする試みだと言えます。
- SNSを前提にした体験設計(写真や動画に残したくなる景観づくり)
- 街全体での連携(交通、宿泊、飲食、イベントの一体的な企画)
- 短期のブームを長期のブランドづくりにつなげる視点
日本でも、豪雪地帯や寒冷地を抱える地域は少なくありません。ハルビンの事例は、冬を「乗り越えるべき季節」から「楽しむための季節」へと発想を切り替えるヒントを与えてくれます。
2025年冬の観光シーズンが本格化するなか、ハルビンの氷雪経済がどこまで広がりを見せるのか。今後の動きにも注目が集まりそうです。
Reference(s):
BizFocus Ep. 115: Harbin gears up to welcome winter tourism boom
cgtn.com








