中国がビザなしトランジットを240時間に拡大 旅行とビジネスに広がる選択肢
中国がビザなしトランジットの滞在可能時間を最大240時間(10日間)に拡大しました。国際便の乗り継ぎで中国の都市を訪れる外国人旅行者にとって、旅行やビジネスの選択肢が大きく広がる動きです。
ビザなしトランジットが240時間に拡大
中国当局は火曜日、ビザなしトランジットに関する規定を緩和し、対象となる外国人の滞在可能時間を従来の72時間・144時間から240時間へと延長すると発表しました。240時間は10日間に相当し、これまでより長く中国の都市に滞在できるようになります。
このビザなしトランジット制度は、第三の国や地域へ向かう途中で中国を経由する旅行者を対象とするものです。国家移民管理局によると、新しい制度のもとでは、条件を満たす旅行者はビザを取得せずに中国に入国し、一定のエリア内で最大240時間まで滞在できます。
対象は54か国 60の港から入出国が可能に
今回の緩和策では、ロシア、ブラジル、英国、米国、カナダなどを含む54か国からの旅行者が対象となります。これらの国から第三の国や地域へ向かう乗り継ぎの途中で中国に立ち寄る場合、ビザなしで入国できるようになります。
利用できる入出国地点も広がりました。国家移民管理局によれば、ビザなしトランジットで入国できる港は24の省、自治区、直轄市にある60の港へと拡大し、そのうち21の港が新たに追加されました。空港だけでなく、さまざまな港湾が含まれることで、利用の選択肢は一段と増えます。
- 対象国:ロシア、ブラジル、英国、米国、カナダなど54か国
- 対象の入出国地点:24の省・自治区・直轄市にある60の港
- 新たに追加された港:21か所
- 条件:第三の国や地域への乗り継ぎ途中であること など
滞在時間の延長で何が変わるのか
新しい制度では、旅行者は指定されたエリア内で最大240時間滞在できます。これまでの72時間・144時間の制度と比べて大きく変わった点は、省や自治区、直轄市の境界をまたいだ移動が可能になったことです。
従来は、原則として同じ都市や地域内での滞在に限られる場面が多く、短時間での観光やビジネス訪問に用途が絞られがちでした。240時間まで滞在でき、かつ複数の地域を移動できるようになることで、次のような動きが現れやすくなります。
- 経由地での滞在を数日単位で組み込んだ観光プラン
- 複数都市を訪れるビジネス出張や視察
- 国際会議や展示会と観光を組み合わせた滞在
トランジット中という位置づけは変わりませんが、「単なる乗り継ぎ」から「短期滞在を伴う立ち寄り」へと性格が変わっていく可能性があります。
統計が示すインバウンドの伸び
国家移民管理局によると、2025年1月から11月までに、中国の各地の港で受け入れた外国人の入国者数は合計2920万人に達しました。前年同期比で86.2%の増加です。
このうち、ビザ免除制度を利用した入国は1740万件で、前年同期比123.3%増と、全体を上回る勢いで伸びています。単純に数字を比べると、外国人の入国のうちビザ免除によるものが相当の割合を占めていることがわかります。
今回のビザなしトランジット拡大は、こうした入国者数の増加傾向をさらに後押しする可能性があります。国際移動が活発になるなかで、中国を経由地として選ぶ旅行者やビジネス関係者が一段と増えるかどうかが注目されます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
今回の発表は、国際ニュースとしてだけでなく、日ごろ海外出張や海外旅行を検討する日本の読者にとっても無関係ではありません。特に、アジアや欧米を結ぶ長距離路線の一部では、中国の都市がハブ(乗り継ぎ拠点)として利用される場面が少なくないためです。
制度の詳細は国籍などによって異なりますが、ニュースから読み取れるポイントを整理すると、次のようになります。
- 対象は54か国のパスポートを持つ人に限られる
- 中国はあくまで「第三の国や地域」への乗り継ぎ途中の経由地である必要がある
- ビザなしで入国できるのは指定された60の港から
- 指定エリア内で最大240時間まで滞在・移動できる
旅行ルートの設計次第では、乗り継ぎの数日を使って複数の都市を訪れる、といった選択肢も現実味を帯びてきます。出張や留学、個人旅行など、目的に応じて経由地の活用方法が変わっていきそうです。
ビザ制度の変化がもたらすもの
ビザ政策は、人の移動を左右する重要なルールです。滞在時間の延長や対象港の拡大は、数字に表れる入国者数だけでなく、どの都市に人が集まり、どのような交流が生まれるかにも影響します。
中国が打ち出したビザなしトランジット240時間への拡大は、国際線の乗り継ぎというニッチな場面に見えて、観光、ビジネス、学術交流など多方面に波及効果を持ちうる動きです。今後、どのような地域や業種でこの制度の活用が進むのか、そして各国・地域との往来のあり方がどう変化していくのかが、次の注目ポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








