人民元が日本円を逆転 国際決済通貨ランキングで4位に浮上
国際決済の通貨ランキングで、中国の通貨・人民元(RMB)が日本円を抜き、2025年11月時点で世界4位の座を取り戻しました。グローバルな資金の流れの中で、人民元と日本円の立ち位置の変化が改めて注目されています。
人民元が国際決済で4位に浮上
国際銀行間通信協会(SWIFT)が水曜日に公表した最新の報告書によると、2025年11月の国際決済(支払い)で使われた通貨を金額ベースで集計したところ、人民元がシェア3.89%を占め、世界で4番目に活発に使われる通貨となりました。
同じ報告書によれば、人民元建て決済の金額は10月と比べて22.12%増加しており、短期間で存在感を強めていることがうかがえます。
数字で見る:人民元シェアと順位の推移
SWIFTのデータからは、この1年ほどの間に、人民元と日本円が国際決済の「4位」の座をめぐって競り合ってきた様子が見えてきます。
- 人民元は、2025年8月まで10カ月連続で世界4位の決済通貨を維持
- 2025年9月と10月には、日本円が一時的に4位を奪還
- しかし11月には、人民元の決済シェアが再び上昇し、4位の座を取り戻した
このように、人民元と日本円は4位と5位の間で近い水準にあり、わずかなシェアの変化で順位が入れ替わる状態が続いているといえます。
人民元の国際利用を支える「通貨スワップ協定」
人民元の国際的な利用拡大の一因として、中国人民銀行(PBOC)が各国との間で進めてきた通貨スワップ協定があります。
PBOCの報告によると、同銀行はこれまでに42の海外の中央銀行および通貨当局と二国間の通貨スワップ協定を締結しており、そのうち29件がすでに有効になっています。協定の合計規模は約4.1兆元(約5,617億2,000万ドル)に達します。
通貨スワップ協定とは、あらかじめ定めた枠の範囲内で、中央銀行同士が自国通貨と相手国通貨を交換できる仕組みです。これにより、企業や金融機関が貿易や投資で人民元を使いやすくなり、国際決済での利用拡大につながりやすくなります。
なぜ日本の読者にとって重要なのか
人民元が日本円を抜いて国際決済で4位になったというニュースは、日本の個人や企業にとっても無関係ではありません。通貨の国際的な役割の変化は、貿易、投資、資産運用などにじわじわと影響してくる可能性があるためです。
- 貿易・ビジネス:取引先の国・地域によっては、ドルやユーロだけでなく人民元建てでの決済条件が提示される場面が増えるかもしれません。
- 為替リスク管理:複数通貨での決済が一般化すると、企業はどの通貨で売上や仕入れを行うか、為替ヘッジ(為替変動リスクを抑える手法)をどう組み立てるかを再考する必要が出てきます。
- 個人の資産運用:外貨預金や海外投資を検討する際に、「どの通貨がどのくらい実際に使われているのか」という視点が一段と重要になります。
国際決済における通貨シェアは、世界のマネーがどの通貨をどれだけ「実務で」使っているかを映し出す指標の一つです。ランキングの変化は、その裏側にある貿易構造や金融ネットワークの変化を考える手がかりになります。
これからのウォッチポイント
今回のSWIFTのデータは、2025年11月時点のスナップショットにすぎません。今後の通貨の勢力図を考えるうえでは、継続的なフォローが欠かせません。
- SWIFTが毎月公表する国際決済における通貨シェアの推移
- 中国人民銀行と各国の中央銀行・通貨当局との通貨スワップ協定の拡大や更新の動き
- 日本円のシェアがどのように推移していくのか、特にアジアと世界の資金フローとの関係
通貨の国際的な役割は、一夜にして変わるものではありません。しかし、人民元と日本円が接戦を続ける構図は、世界の金融システムが単一通貨ではなく複数の通貨が共存する方向へとゆっくりシフトしていることを示唆しています。日々のニュースの背後にあるこうした動きを、アップデートしながら見ていきたいところです。
Reference(s):
RMB surpasses yen as 4th most popular currency for global payments
cgtn.com







