中国のLPRが12月も据え置き 金利維持の背景と今後の金融政策
中国の代表的な貸出金利であるローンプライムレート(LPR)が2025年12月も据え置かれました。景気を下支えするための金融緩和が議論される中での金利維持は、今後の中国金融政策を読むうえで重要なサインとなっています。
12月のLPR、1年物3.10%・5年以上3.60%で据え置き
全国銀行間資金取引センターによると、今月金曜日に発表されたローンプライムレート(LPR)は、1年物が3.10%、5年以上が3.60%となり、いずれも11月から変更はありませんでした。2025年12月時点で、2カ月連続の据え置きとなります。
5年以上のLPRは、多くの金融機関が住宅ローン金利を決める際の基準として用いているため、不動産市場や家計の負担感を左右する指標でもあります。一方、1年物は企業の短期から中期の借り入れ金利の参考となり、企業活動のコストに直結します。
LPRとは何か 中国の貸出金利のものさし
LPRは、中国の銀行が優良な企業に貸し出す際の金利水準を示す、実務上の基準金利です。複数の銀行が提示する貸出金利をもとに、全国銀行間資金取引センターが毎月公表します。
このLPRは、中国人民銀行(中央銀行)が行う公開市場操作の金利などを土台に決まり、次のような役割を持ちます。
- 1年物LPR: 企業向けの短期・中期貸出の主な指標
- 5年以上LPR: 住宅ローンなど長期貸出の重要な基準
- 銀行間での貸出競争を通じて、市場の資金需給を金利に反映させる役割
名目上の政策金利だけでなく、このLPRの動きが企業や家計の実際の借入コストを左右するため、市場は毎月の発表に注目しています。
指導部は追加緩和を表明 それでも今は据え置きの理由
今月初めに開かれた中国の主要な経済政策会議では、中国の指導部が、景気を下支えするため、今後、利下げを含む一段の金融緩和策を実施していく方針を示しました。2025年12月時点で、こうした方針は維持されています。
一方で、今回のLPRは据え置きとなりました。市場では、次のような要因が意識されています。
- すでに実施済みの支援策や資金供給の効果を見極めたい
- 急激な利下げによる金融システムへの副作用を避けたい
- 物価動向や為替レートなど、他の経済指標とのバランスを重視している
つまり、中国は中長期的には追加緩和の方向を維持しつつも、利下げのタイミングやペースを慎重に見極めている段階といえます。
企業・住宅ローン・世界市場への影響
企業の資金調達コストは当面横ばい
1年物LPRが3.10%で据え置かれたことで、企業の新規借り入れや借り換えにかかる金利水準も大きくは変わりません。これにより、企業は当面、金利上昇リスクを気にせず資金繰りを組み立てやすい一方で、劇的な負担軽減もまだ見込みにくい状況です。
住宅ローンと不動産市場への意味
5年以上LPRが3.60%に据え置かれたことで、多くの住宅ローン金利も大きくは動かないとみられます。不動産市場の安定を優先しつつも、今後の追加緩和の余地を残していると受け止めることができます。
なぜ日本や世界も注目するのか
中国の金利動向は、アジアを中心とする資金の流れや為替相場に影響を及ぼします。とくに、日本を含む周辺国の輸出企業や投資家にとって、中国の金融緩和がどのペースで進むのかは、需要や投資計画を考えるうえで重要な情報です。
これから数カ月でチェックしたいポイント
LPRが据え置かれた今、今後の中国金融政策を読み解くうえで注目したいポイントは次のとおりです。
- 今後数カ月のLPRの推移と、実際の利下げのタイミング
- 中国人民銀行による公開市場操作や資金供給の動き
- 企業向けや不動産向けの信用支援策の強化
- 中国の成長率や物価などマクロ経済指標の変化
中国の指導部が掲げる追加緩和の方針と、今回のLPR据え置きは、矛盾するものではなく、むしろ段階的な金融緩和に向けた助走とみることもできます。2026年にかけて、どのようなペースで金利や金融環境が調整されていくのか、国際ニュースとして引き続きフォローしていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








