中国の中小企業が特許イノベーションで存在感 CNIPAが最新動向を公表
特許の産業化が進む中国では、中小企業による発明特許のイノベーションが着実に存在感を増しています。中国国家知識産権局(China National Intellectual Property Administration, CNIPA)は、特許の産業化が中小企業の成長を加速させていると発表しました。
この国際ニュースは、中国の知的財産戦略が「量」から「質」と活用へと移りつつあることを示すものです。日本を含む周辺地域の企業にとっても、イノベーション競争の行方を考えるうえで見逃せない動きです。
この記事のポイント
- 有効な国内発明特許の73.5%を企業が保有し、その中で中小企業の存在感が大きくなっている。
- 2024年に中国の中小企業が保有する有効な発明特許のうち、75.3%が自社で独自開発した発明で、前年から3.9ポイント増加。
- 中小企業が保有する発明特許の産業化率(実際の製品・サービスへの活用率)は55.1%に達し、前年から3.6ポイント上昇。
企業が特許の主役に:73.5%を保有
CNIPAの報道官であるLiang Xinxin氏によると、11月末時点で中国国内の有効な発明特許のうち、73.5%を企業が保有しています。そのうち相当数を中小企業が占めており、特許の世界でも中小企業が重要なプレーヤーになっていることがうかがえます。
ここでいう「発明特許」とは、新規性や進歩性が認められた技術に対して与えられる特許で、企業の競争力の源泉となる知的財産です。単に権利を取得するだけでなく、それをどう産業に結びつけるかが問われています。
中小企業の発明特許、75.3%が独自開発
2024年に中国の中小企業が保有する有効な発明特許のうち、75.3%は自社で独自に開発した技術に基づくものだといいます。前年より3.9ポイント上昇しており、外部から技術を導入するだけでなく、自ら研究開発に投資する企業が増えていることがうかがえます。
この数字は、中小企業が単なる下請けではなく、オリジナル技術を持つイノベーション主体として成長していることを示しています。特にハイテク分野やデジタル産業では、中小企業のスピード感や柔軟性が競争力につながりやすく、特許ポートフォリオ(企業が保有する特許の組み合わせ)の質が重要になります。
産業化率55.1%:特許が実際のビジネスに
Liang氏はさらに、中国の中小企業が保有する有効な発明特許の産業化率が55.1%に達していると説明しました。前年から3.6ポイント上昇しています。
「産業化率」とは、取得した特許が実際の製品やサービスとして市場で活用されているかどうかを示す指標です。半数を超える特許が事業化されているという数字は、知的財産が机上の権利にとどまらず、売上や事業拡大に結びついていることを意味します。
特許の産業化が進むほど、中小企業は技術力をてこにしたビジネスモデルを構築しやすくなり、金融機関からの評価やパートナー企業との協業の機会も広がります。
中小企業・大学・研究機関の連携を後押し
CNIPAの幹部であるWang Peizhang氏は、CNIPAが中央政府の各部門や地方政府と協力し、中小企業と大学、研究機関との「協同イノベーション」と技術融合を推進していると述べました。その狙いは、特許の商業化を通じて中小企業の成長をさらに加速させることにあります。
具体的には、大学や研究機関が持つ基礎技術と、中小企業が持つ市場感覚や事業化のノウハウを結びつけることで、特許をより短期間で製品・サービスへと転換しようとする動きが強まっていると考えられます。
日本の読者への示唆:知財を「使いこなす」競争へ
今回のCNIPAの発表は、中国の中小企業が知的財産を「守るための権利」から「成長を支える資産」へと位置づけつつあることを映し出しています。
日本やアジアの企業にとっても、単に特許件数を追うのではなく、
- どれだけ自社で独自技術を生み出せているか
- その特許が実際のビジネスにどれだけ活用されているか
- 大学・研究機関との連携をどう設計するか
といった視点がますます重要になっていきそうです。
中国発の知的財産・中小企業に関する国際ニュースは、地域の競争環境の変化を示す一つの鏡でもあります。読者のみなさんの職場やビジネスにとって、特許や知的財産をどう活用していくのかを考えるきっかけとして、今回の動きを捉えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








