中国がEU産ブランデーの反ダンピング調査を延長 2025年4月まで
中国商務省は、欧州連合(EU)から輸入されるブランデーに対する反ダンピング調査の期間を2025年4月5日まで延長すると発表しました。輸入酒と国内産業をめぐる今回の動きは、中国とEUの経済関係を考えるうえで注目されています。
何が発表されたのか
中国商務省によると、調査の複雑さなどを理由に、EU産ブランデーへの反ダンピング調査の期限を延長することを決定しました。関連する規定に基づき、調査は2025年4月5日まで続けられるとしています。
この調査は、中国の酒類業界団体である中国酒類協会が国内産業を代表して申し立てを行い、今年1月5日に正式に開始されました。
- 対象品目:EU産ブランデー(ぶどう酒を蒸留したスピリッツ)
- 容器:200リットル未満の容器に詰められたもの
- 調査期限:2025年4月5日まで延長
- 申立人:中国酒類協会(国内ブランデー産業を代表)
反ダンピング調査の中身
商務省が今年1月5日に公表した説明によると、調査は主に次の二つの期間を対象としています。
- ダンピング調査の対象期間:2022年10月1日から2023年9月30日までに輸入されたEU産ブランデー
- 国内産業への損害調査の対象期間:2019年1月1日から2023年9月30日まで
反ダンピング調査とは、輸入品が国内市場で「不当に安い」とみなされる価格で販売されていないか、またそれが国内産業に損害を与えていないかを検証する制度です。今回のケースでは、中国市場に入るEU産ブランデーの価格や数量、国内メーカーの販売状況などが詳細に調べられているとみられます。
暫定評価と「重大な損害の脅威」
商務省は8月29日、予備的な評価として、EUから輸入されるブランデーについてダンピングが存在し、中国のブランデー産業が重大な損害の脅威にさらされているとの見解を示しました。
また、ダンピングとその「重大な損害の脅威」の間には因果関係があると判断したとしています。これは、安価な輸入品が増えることで、国内メーカーの販売や収益、投資意欲などに影響が出ている可能性を示すものです。
10月からは暫定措置も導入
こうした予備評価を受けて、中国は10月11日以降、EU産ブランデーに対して暫定的な反ダンピング措置を実施しています。
具体的には、EU産ブランデーを輸入する企業に対し、税関で保証金(デポジット)を預けることを義務づけています。その水準は、算定されたダンピング幅に応じて30.6%から39%の範囲とされています。
最終的な調査結果が出るまでの間、この保証金制度によって、輸入品が国内市場にもたらす影響を一定程度抑えつつ、詳細な検証を続ける狙いがあるとみられます。
中国のブランデー産業とEUとの関係
今回の反ダンピング調査は、中国国内のブランデー産業を守る観点から始まったものです。申し立てを行った中国酒類協会は、EU産ブランデーの急増が国内メーカーにとって大きな負担になっていると訴えてきました。
一方で、EU産ブランデーは中国市場で一定の人気を持つ輸入酒でもあり、今回の調査や暫定措置は、輸入業者や流通、飲食産業にも影響を与える可能性があります。
これからの注目ポイント
調査期間が2025年4月5日まで延長されたことで、今後の焦点は次のような点になりそうです。
- 最終的な調査結果で、ダンピングの有無とその程度がどのように判断されるか
- 中国国内ブランデー産業の「損害」や「損害の脅威」がどの程度認定されるか
- 暫定措置としての保証金制度が、最終的に関税などの正式な措置に発展するかどうか
中国とEUの間では、貿易をめぐる議論や調整が続いています。今回のEU産ブランデーをめぐる反ダンピング調査の行方は、両者の経済関係を考えるうえで一つの指標となり、日本を含む第三国の企業や市場にも間接的な影響を与える可能性があります。今後の発表を丁寧に追いながら、貿易ルールと産業保護のバランスがどのように取られていくのかを見ていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








