中国デジタル経済の中核産業、2023年売上は約6.7兆ドルに
中国のデジタル経済に関する最新の全国経済センサスで、2023年末時点の「デジタル経済の中核産業」の全体像が明らかになりました。年間売上高は48.45兆元(約6.74兆ドル)に達し、約292万社が参入、3,616万人が雇用されています。世界のデジタル競争を考えるうえで、押さえておきたい数字です。
2023年、中国デジタル経済「中核」の規模
国家統計局が公表した第5回全国経済センサスによると、中国のデジタル経済の中核産業は、2023年に合計48.45兆元(約6.74兆ドル)の年間事業収入を上げました。これは、デジタル関連の技術やサービスがすでに中国経済の大きな柱になっていることを示しています。
企業数は合計292万社に達し、その中で3,616万人が働いています。単なる「IT業界」を超えて、幅広い産業がデジタルを軸に再編されつつある姿が浮かび上がります。
何が「デジタル経済の中核産業」なのか
統計でいう「デジタル経済の中核産業」とは、次のような経済活動を指します。
- デジタル技術・製品・サービス・インフラ・ソリューションを提供する産業
- デジタル技術やデータ要素に完全に依存して成り立つ産業
この中核産業は、さらに四つの分野に分けられています。
- デジタル製品製造
- デジタル製品サービス
- デジタル技術応用産業
- デジタル要素駆動型産業(デジタル要素に引っ張られる産業)
それぞれが、ハードウェアからソフトウェア、サービス、そして産業全体のデジタル転換までをカバーしている構造です。
企業数・雇用は「応用」と「製造」に集中
292万社の内訳を見ると、デジタル経済の広がり方がよりはっきりします。
- デジタル製品製造企業: 26.2万社
- デジタル製品サービス企業: 27.4万社
- デジタル技術応用企業: 143万社
- デジタル要素駆動型産業の企業: 95万社
もっとも企業数が多いのは「デジタル技術応用」の143万社で、既存産業の中にデジタル技術を取り込む動きが広範囲に進んでいることが分かります。
雇用面でも同じ傾向が見られます。
- デジタル技術応用企業: 1,461万人(中核産業の中で最大)
- デジタル製品製造企業: 1,337万人
- デジタル要素駆動型産業: 666万人
- デジタル製品サービス企業: 152万人
従業員数では、応用分野と製造分野が二大プレーヤーです。デジタル技術を使う側(応用)と、機器などを作る側(製造)の双方が、大量の雇用を支えている構図といえます。
売上高は「デジタル製造」が最大、応用分野も追随
売上高の内訳を見ると、どの分野が経済規模を牽引しているかが見えてきます。
- デジタル製品製造企業: 20.48兆元(2023年の中核産業で最大)
- デジタル技術応用企業: 14.04兆元
- デジタル要素駆動型産業: 9.74兆元
- デジタル製品サービス企業: 4.18兆元
売上では「デジタル製品製造」がトップで、ハードウェアや関連製品の規模が依然として非常に大きいことが分かります。一方で、デジタル技術応用分野も14.04兆元と大きな市場となっており、製造業やサービス業など幅広い分野でデジタル化が進んでいることを反映しています。
デジタル要素駆動型産業やデジタル製品サービスも、売上規模こそ相対的に小さいものの、データやオンラインサービスを軸に今後さらに比重が高まる可能性のある領域です。
世界のデジタル競争の中で見えてくるもの
今回の統計から見えるポイントは、大きく三つあります。
- デジタル経済がすでに巨額の売上と雇用を生む「基幹産業」になっていること
- デジタル技術を「つくる産業」だけでなく、「使う産業」への浸透が急速に進んでいること
- データやデジタル要素に依存した新しいタイプの産業が、独自の市場を形成しつつあること
2023年時点のこれらの数字は、今の世界でどの国・地域もデジタル戦略を無視できない状況にあることを改めて示しています。
日本・アジアの読者が考えたい視点
日本やアジアの読者にとって、このニュースは次のような問いを投げかけます。
- 自国・自地域では、デジタル技術を活用する産業がどこまで広がっているのか
- 雇用は「製造」と「応用」「サービス」のどの分野に偏っているのか
- データやデジタル要素に依存する新しい産業をどう育てるのか
中国の2023年のデジタル経済の姿は、単に規模の大きさを示すだけでなく、「どの分野に人とお金が集まるのか」という構造の変化を映し出しています。アジアの一員として、日本がどの領域で強みを持ち、どこで連携や競争をしていくのかを考える材料になりそうです。
Reference(s):
China's core digital sectors logged $6.7 trillion in revenue in 2023
cgtn.com








