中国が付加価値税法を可決 2026年施行で税制はどう変わる?
2026年1月1日から、中国の付加価値税をめぐるルールが新しい法律のもとで運用されます。中国の全国レベルの立法機関が、新たな付加価値税(VAT)法を可決しました。付加価値税は中国で最大の税目とされており、この法制化は中国経済や国際ビジネスにとって大きな意味を持ちます。
新しい付加価値税法で何が変わるのか
今回可決された付加価値税法は、全6章38条で構成され、これまでの関連規定を統合したものです。一部の品目を非課税・免税とする既存の取り扱いも取り込まれ、枠組みが整理されました。
- 付加価値税の課税対象となる取引の範囲
- 税率の水準と区分
- 納付すべき税額の算定方法
- 特定輸出に対するゼロ税率の導入
- 税優遇(インセンティブ)の基本的な枠組み
- 小規模納税者の基準(しきい値)と負担軽減措置
特に、一定の輸出取引にゼロ税率を適用することや、小規模納税者のための基準を明確にした点は、企業の規模やビジネスモデルによって影響度が変わる重要なポイントです。
中国の税収に占める付加価値税の重み
付加価値税は、中国における最大の税目とされています。公式データによれば、2023年には付加価値税が中国の税収全体のおよそ39%を占めました。さらに、2024年1〜11月の付加価値税収は約6.12兆元(約8380億ドル)に達し、同期間の税収全体の約37.8%を占めています。
この比率から、付加価値税が中国の財政を支える柱であることがうかがえます。そのルールを法律として整備することは、税制運営の安定性や透明性を高める試みと位置づけることができます。
小規模納税者への配慮とビジネスへの影響
新しい付加価値税法では、小規模納税者のためのしきい値が設けられ、基準を満たす事業者には税負担の軽減が認められる仕組みが導入されます。小規模事業者にとっては、従来よりも負担感が和らぐ可能性があります。
一方で、事業者の側から見ると、次のような点が実務上のチェックポイントになりそうです。
- 自社が小規模納税者のしきい値に該当するかどうか
- 税負担の軽減がキャッシュフローにどの程度影響するか
- 帳簿・申告などの事務負担がどう変わるのか
税率そのものだけでなく、誰がどの制度を使えるのかという線引きがビジネスの競争環境を左右する可能性もあります。
輸出へのゼロ税率と税優遇の位置づけ
今回の付加価値税法では、一定の輸出取引についてゼロ税率が導入されます。また、税優遇措置に関する基本的なガイドラインも示されます。
ゼロ税率とは、課税対象ではあるものの税率を0%とすることで、輸出企業に税負担を残さないようにする仕組みです。これにより、輸出を行う企業にとっては、価格設定や資金計画を立てやすくなる可能性があります。
税優遇のガイドラインが法律に明記されることで、どのような分野や取引に優遇が向けられていくのかが、今後の焦点となりそうです。
施行は2026年1月1日 これから何を注視するか
新しい付加価値税法は、2026年1月1日から施行される予定です。2025年12月時点では施行まで残りわずかとなり、中国国内の企業だけでなく、中国市場と取引を行う海外企業にとっても、新制度への対応が課題になります。
今後、企業や投資家の立場から注視したいポイントとして、次のような点が挙げられます。
- 既存の契約や価格設定に対する影響
- 輸出入取引におけるゼロ税率や税優遇の適用範囲
- 自社がどの納税カテゴリーに属するのかの再確認
制度の細部を踏まえたうえで、サプライチェーンや取引条件をどう見直すかが問われていきます。
日本の読者にとっての意味
日本語で国際ニュースを追う読者にとって、この付加価値税法の成立は、単なる他国の税制改正以上の意味を持ちます。中国は多くの企業にとって重要な市場であり、税制の変化は価格戦略や投資判断に直接影響し得る要素だからです。
今回の動きを通じて、
- 税制のルールが法律としてどのように整えられていくのか
- 税優遇やゼロ税率を通じて、どのような経済活動を後押ししようとしているのか
- 小規模事業者を含むビジネス環境がどのように変化していくのか
といった点を意識しながらニュースを読み解くことで、中国経済や国際ビジネスの動きをより立体的に捉えることができます。スキマ時間にニュースをチェックする中でも、税制の変化が社会や自分の仕事にどうつながるのかを一度立ち止まって考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








