中国の工業企業、11月の利益減少が縮小 成長分野はどこか
中国の主要な工業企業で、2025年11月の利益減少幅が縮小しました。全体では依然として前年同月を下回るものの、非鉄金属や電力、電子機器など一部の分野では利益が増加しており、中国経済の足元の動きを読むうえで注目されます。
11月の利益は7.3%減 減少幅は前月から改善
国家統計局(NBS)が金曜日に発表したデータをもとに、中国のメディア「CGTN」が集計したところによると、主要工業企業の2025年11月の利益は、前年同月比で7.3%減の7,994億元(約1,095億ドル)となりました。
10月の減少率は10%だったため、11月は減少幅が縮小した形です。マイナスは続いているものの、落ち込み方が緩やかになっていることから、工業部門の収益環境にやや下げ止まりの兆しが見られるといえます。
非鉄金属、電力、繊維、電子機器がプラス成長
全体がマイナスとなる中でも、いくつかの業種では利益が伸びています。とくに伸びが大きかったのは次の分野です。
- 非鉄金属製錬・圧延加工業:利益が前年同月比20.2%増
- 電力・熱の生産・供給業:13.5%増
- 繊維業:4.6%増
- コンピューター・通信・電子機器製造業:2.9%増
非鉄金属は、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー設備など幅広い産業の材料として使われるため、この分野の利益の回復は製造業全体の需要改善をうかがわせます。また、電力・熱の生産・供給業の利益増加は、エネルギー需要の底堅さを示していると考えられます。
繊維業やコンピューター、通信、電子機器の製造業など、輸出とも関連の深い分野がプラスに転じている点も見逃せません。世界需要の変化やサプライチェーンの調整が、徐々に業績に反映されている可能性があります。
数字が示す中国経済の今
11月のデータは、次のようなポイントを示していると受け止められます。
- 工業企業全体の利益は依然として前年割れだが、減少ペースは鈍化している
- 素材産業(非鉄金属)やインフラ関連(電力・熱)、輸出やデジタル関連(電子機器)などで利益が増加している
- 業種による明暗がはっきりし、構造的な変化も進んでいる可能性がある
利益の減少幅が縮小していることは、中国の工業部門にとって一定の安定要因といえます。一方で、全体としてはまだ前年水準を下回っており、需要環境やコスト負担などの課題が残っていることも読み取れます。
日本や世界への影響は
中国の工業企業の動きは、日本を含む世界経済にも影響を与えます。非鉄金属や電子機器は、日本企業のサプライチェーンとも密接に結びついており、中国での収益改善は、部品調達や価格動向の安定要因となる可能性があります。
一方で、業種ごとの格差が続く場合、企業や地域によって景況感に差が生じることも考えられます。日本の企業や投資家にとっては、中国の月次の工業統計や利益動向を継続的にフォローし、どの分野が伸び、どの分野が停滞しているのかを見極めることが重要になりそうです。
11月の数字は、中国の工業部門が厳しさの中でも局所的な回復を模索している姿を映し出しています。今後のデータが「減少幅の縮小」という流れを維持できるかどうかが、2026年に向けた中国経済を占う一つの指標になっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








