中国・シンガポールFTA高度化 サービス・投資で新段階へ
2024年12月31日に、中国とシンガポールの自由貿易協定(CSFTA)のさらなる高度化プロトコルが発効しました。サービス貿易と投資を中心に、両国の経済連携が新しい段階に入っています。
中国・シンガポール自由貿易協定の高度化とは
中国商務省によると、このプロトコルは、高水準の国際的な経済・貿易ルールに整合させる形で設計され、両国間のサービス貿易と投資市場をこれまで以上に開放することを目的としています。
交渉は2020年に始まり、2023年12月に署名。2024年末の発効を経て、2025年現在は制度の具体的な運用が進んでいる段階とみられます。
ネガティブリスト方式で市場開放
今回のプロトコルの特徴の一つが、サービス貿易と投資分野でネガティブリスト方式を採用している点です。一般的にネガティブリスト方式とは、原則としてすべての分野への参入を認め、例外的に制限する分野だけをリストに明示する考え方を指します。
中国商務省は、中国がネガティブリスト方式を用いた自由貿易協定の高度化交渉を完了したのは今回が初めてだと説明しています。これは、自国市場の制度面での開放を一段と進める動きとしても位置づけられます。
高水準ルールとデジタル経済で協力拡大
規制面では、サービス貿易、投資、通信などの分野で高水準の制度的な取り決めが整えられました。単に関税や数量規制を下げるだけでなく、ルールそのものを国際標準に近づけることで、企業が長期的な投資判断をしやすくする狙いがあります。
さらに、デジタル経済といった新たな分野での協力も広がるとされています。オンラインサービスやクラウド、データ関連ビジネスなどに携わる企業にとって、両国間の制度調和が進めば、越境サービスの提供や共同プロジェクトの立ち上げがしやすくなる可能性があります。
未来志向のパートナーシップをどう高めるか
中国商務省の声明によれば、プロトコルの実施により、サービス貿易と投資の分野で両国の協力ポテンシャルがさらに引き出され、中国とシンガポールのオールラウンドで質の高い未来志向のパートナーシップの発展が一層豊かになることが期待されています。
これまで製造業やインフラ分野で存在感を示してきた両国関係の重心が、今後はサービスやデジタルといった無形資産中心の領域へと徐々に移っていく可能性もあります。
アジアのビジネス環境への波及効果
中国とシンガポールはいずれも、アジアにおける貿易と投資のハブとして機能してきました。今回の自由貿易協定の高度化は、両国企業だけでなく、アジア市場を見据える海外企業にとっても、サービスや投資を展開しやすい環境づくりにつながると考えられます。
日本を含むアジアの企業にとっては、次のような観点で注目する価値があります。
- サービス分野での参入規制がどこまで緩和されるのか
- デジタル経済や通信のルールが、他の自由貿易協定とどの程度そろってくるのか
- 中国とシンガポールを経由したビジネススキームが組みやすくなるのか
読者が押さえておきたいポイント
2025年の今、アジアの経済連携は、モノの貿易からサービスとデジタルへと重心を移しつつあります。今回の中国・シンガポール自由貿易協定の高度化は、その流れを示す一つの動きと言えます。
ニュースを追う際には、関税率や輸出入額だけでなく、サービス貿易、投資、デジタル経済といったキーワードにも目を向けることで、中長期的なアジアのビジネス環境の変化が見えやすくなります。
Reference(s):
cgtn.com








