中国2025年元日連休で旅行と消費が活発化 越境移動と映画興行が大幅増
2025年の年始、中国の旅行と消費が一気に動き出しました。越境旅行の増加から映画館の興行好調まで、年初の数字は中国経済の底堅さを示す材料として、いま振り返っても重要な意味を持ちます。
2025年年初、中国経済は旅行と消費から好スタート
年始のニューイヤー・ホリデー期間中、中国では観光、個人消費、交通分野で目に見える回復が見られました。国境をまたぐ移動も活発で、2025年の中国経済がどのような一年になるかを占ううえで象徴的なスタートとなりました。
越境旅行が13.7%増、のべ180万人以上が出入境
中国国家移民管理当局(NIA)によると、ニューイヤー・ホリデー中の越境旅行(出入境)は前年同期比13.7%増となり、延べ180万件以上の旅客の出入境が記録されました。
内訳は次のとおりです。
- 越境旅行全体:前年比13.7%増、延べ180万件超
- 中国の住民による出入境:86万9,000件、前年比11.1%増
- 外国人による出入境:18万5,000件、前年比33.6%増
特に外国人の出入境が3割以上増えている点は、ビジネスや観光で中国を訪れる人の動きが本格的に戻りつつあることを示していると言えます。
出国観光が続伸、アジアからの訪中客も急増
海外旅行(アウトバウンド)も、2023年以降の高い伸びが2025年の年始まで続いています。オンライン旅行プラットフォームのフリギー(Fliggy)のデータによると、2025年1月1日未明時点での海外旅行予約は、前年同期比でおよそ70%増となりました。
さらに、中国のビザ免除政策の緩和が、インバウンド(訪中)観光を強く押し上げました。報道によれば、2024年12月31日から2025年1月1日にかけて、訪中の旅行予約が急増し、旅行予約サイト・シートリップ(Ctrip)では、近隣の国からの予約が大きく伸びました。
- 韓国からの予約:前年比215%増
- 日本からの予約:前年比145%増
短期間にここまで伸びていることは、アジアの近隣国と中国との人の往来が、年始時点でかなり活発化していたことを物語っています。
ビザ免除緩和が映す、中国の開放姿勢
ビザ免除政策の緩和は、海外からの旅行者にとって手続きの負担を軽くするだけでなく、心理的なハードルを下げる効果もあります。予約データが「指数関数的な伸び」と表現されるほど急増した背景には、こうした制度面の変化への期待感もあると考えられます。
また、韓国や日本といった近隣の国からの予約が大きく増えたことは、短期滞在や週末旅行といったスタイルで、中国を訪れる人が増えつつある可能性を示しています。アジア域内の観光回復が、地域経済全体に与える影響も今後の注目点です。
映画館もにぎわう、元日の興行収入は30億元超え
年始の消費は旅行だけではありません。映画館もにぎわいを見せました。興行収入データサービスの灯塔(Dengta)によると、元日の興行収入は30億元(約4億1,100万ドル)を超えました。
元日に上映された作品のうち、次のタイトルが興行をけん引しました。
- 『Sheep Without a Shepherd 3』
- 『Big World』
- 『Honey Money Phony』
大型連休や祝日の映画興行は、その時点の消費者マインドやエンターテインメント市場の活力を示すバロメーターです。30億元を超える元日興行は、中国の観客が映画館に戻ってきていることを示す数字と言えるでしょう。
年始のデータから見える、中国経済の3つのポイント
こうした旅行・消費の動きを、もう少し引いて眺めると、2025年の中国経済について次のようなポイントが浮かび上がります。
- 消費マインドの底堅さ
越境旅行の増加や映画興行の好調は、可処分所得を旅行やエンタメに使う余裕と意欲が戻りつつあることをうかがわせます。 - サービス・観光産業の回復
旅行予約、観光、交通、映画といったサービス分野は雇用への波及効果も大きく、年初からの好調は2025年通年での回復期待を高める材料になりました。 - 地域・国境をまたぐ人の往来の重要性
韓国や日本など近隣の国から中国への旅行が急増していることは、アジア域内の観光連携が再び強まっていることを示しています。
日本の読者にとっての意味:アジア観光回復の波をどう捉えるか
日本の読者にとっても、今回の年始データは「遠い国のニュース」ではありません。アジア全体の観光動向として、いくつかの示唆があります。
- インバウンドの潜在需要
中国から近隣国への旅行が伸びているということは、日本への訪問需要も中長期的に高まりうるということです。観光地だけでなく、地方都市や中小企業にとってもビジネスチャンスにつながる可能性があります。 - デジタル旅行サービスの重要性
フリギーやシートリップなどオンライン旅行プラットフォームがデータの中心となっている点は、旅行の予約や情報収集がほぼ完全にデジタルに移行している現実を映しています。日本側でも多言語対応やキャッシュレス決済の整備など、デジタル面での準備が問われています。 - 個人の旅行計画にも影響
アジア域内の旅行需要が戻ると、航空券やホテル価格、人気スポットの混雑状況にも変化が出ます。日本から中国やアジア各地へ旅行を考えている人にとっても、年始のこうしたデータは今後の旅の計画に参考になりそうです。
まとめ:年始の活況は2025年を映す鏡
2025年のニューイヤー・ホリデーは、中国にとって「旅行と消費が動き出した年の幕開け」でした。越境旅行は13.7%増、延べ180万人超が国境を行き来し、元日の映画興行収入は30億元を突破しました。
年始の短い期間に凝縮されたこれらの数字は、2025年を通じた中国経済の方向感、そしてアジアの観光回復の流れを読み解くうえで、今もなお参考になるデータと言えるでしょう。
Reference(s):
China's 2025 New Year holiday sees boost in spending, travel
cgtn.com








