中国の旅行ラッシュが示す経済の活気 2025年元日連休のデータから読む
2025年の年明け、世界各地で観光需要が高まるなか、中国の旅行ラッシュが特に目立ちました。入出境の人流と国内外の観光トレンドは、中国経済の活力を映す鏡となっています。本記事では、2025年元日の連休に焦点を当て、その数字が示す意味を整理します。
2025年元日連休、中国の国境は再びにぎわい
中国国家移民管理局によると、2025年の元日連休期間中、各地の出入境管理当局が手続きした入出境は延べ180万3千件で、前年同期比13.7%増となりました。
- 中国本土住民の出入境:86万9千件(前年比11.1%増)
- 香港・マカオ・台湾の住民:74万9千件(前年比12.8%増)
- 外国人:18万5千件(前年比33.6%増)
元日は正式な祝日が1日だけにもかかわらず、多くの人が有給休暇などを組み合わせてミニ休暇をつくり、国内外への旅行に出かけました。数字の伸びは、国境をまたぐ人の動きが着実に回復しつつあることを物語っています。
国内旅行の二極化 雪と氷か、南への冬逃れか
中国国内の人気都市としては、上海、北京、杭州、広州、成都、深セン、重慶、南京、西安、ハルビンなどが挙げられました。いずれも交通の結節点であり、観光とビジネス需要を兼ね備えた大都市です。
旅行予約サイトのフリギーのデータによると、元日前後の1週間で、中国国内の高級ホテル予約は前年より40%以上増加しました。単に移動の量が増えたというだけでなく、宿泊の質を重視する消費スタイルが広がっていることがうかがえます。
雪と氷を求める北への旅
黒竜江省、吉林省、新疆ウイグル自治区、河北省といった地域では、いわゆる雪氷観光が特に人気となりました。スキーやスノーボード、氷の彫刻、雪景色を楽しむために、多くの旅行者が北へ向かいました。
加えて、成都、武漢、紹興、無錫などの都市では、屋内の雪・氷テーマパークのチケット販売が急増しました。都市部にいながら手軽に雪遊びやスキー体験ができる施設は、家族連れや若い世代に支持されています。
寒さから逃れる南への旅
一方で、海南省、広西チワン族自治区、広東省といった南のエリアでは、冬の寒さから抜け出す冬逃れ旅行の予約が増えました。
- サーフィン
- ナイトフィッシング(夜釣り)
- スキューバダイビング
といったアクティビティが人気で、北の雪と氷とは対照的な、南国の海と温暖な気候を楽しむ旅が定着しつつあります。同じ国内でも、旅行者の嗜好が多様化している様子が見て取れます。
海外へ向かう中国の旅行者 伸びる予約と変わるスタイル
中国から国外への観光は、2023年からの回復傾向を維持し、2025年の元日にも力強さを見せました。フリギーのデータでは、2025年1月1日未明の時点で、海外旅行の予約件数は前年同期比で約70%増となりました。
人気の渡航先は次の通りです。
- 日本
- タイ
- マレーシア
- 香港
- 韓国
- アメリカ
- オーストラリア
- ベトナム
- フランス
- シンガポール
アジア近隣の人気観光地に加え、欧米やオセアニアなど、長距離の旅行先も幅広く選ばれていることが分かります。
国際レンタカーの増加が示すもの
国際的なレンタカー予約も前年比70%超の増加となりました。特に人気だったのは、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、エジプト、サウジアラビアなどです。
レンタカー利用の増加は、団体ツアーから、より自由度の高い個人旅行へとスタイルがシフトしていることを示していると考えられます。現地での移動手段を自ら確保することで、地方都市や自然景観エリアなど、従来よりも広い範囲に旅行者が足を運ぶ可能性があります。
インバウンドも拡大 240時間ビザなしトランジットの効果
世界各地の旅行者にとっても、中国は魅力的な目的地として存在感を高めています。歴史ある遺産、近代的な都市景観、広大な自然、そして多様な食文化など、観光資源は豊富です。
こうした中で、240時間のビザなしトランジット制度は、外国人旅行者の訪問を後押ししています。乗り継ぎのために立ち寄る旅行者が、数日間の滞在を組み込んで観光を楽しむケースも増えれば、空港周辺や都市部のホテル、飲食店、小売店など、幅広い産業に波及効果が生まれます。
旅行ブームが中国経済にもたらすもの
元日という短い休暇にもかかわらず、国内外でここまで旅行需要が高まった背景には、次のような要素があると考えられます。
- 有給休暇を組み合わせたミニ連休の定着
- 高級ホテルやアクティビティへの支出をいとわない消費マインド
- 国内外を問わず、多様な旅行スタイルを選択できるインフラの整備
こうした動きは、観光業だけでなく、交通、飲食、小売、エンターテインメントなど、多くの分野に需要を生み出します。旅行ラッシュは、そのまま内需拡大とサービス産業の成長につながり、中国経済全体の活力を支える一つのエンジンとして機能していると見ることができます。
年初のデータが示す2025年の方向性
2025年も終わりに近づくなかで、年初の元日連休のデータを振り返ると、中国から世界への人の流れ、そして世界から中国への関心が、着実に戻ってきていることが分かります。
旅行は単なるレジャーにとどまらず、人と人、都市と都市、国と地域を結ぶ接点でもあります。2025年元日の旅行ブームは、観光と経済、そして国際的な交流が相互に影響し合いながら動いていることを、あらためて示したといえるでしょう。
今後の大型連休や行楽シーズンでも、今回のような傾向がどこまで続くのか。各国の観光産業や関連ビジネスにとっても、中国の旅行トレンドから目が離せない一年となりました。
Reference(s):
cgtn.com








