中国、EUの外国補助金調査を「貿易・投資障壁」と認定
中国と欧州連合(EU)の経済関係で、新たな焦点となる動きです。中国商務部は今月、EUが中国企業に対して進めてきた「外国補助金」調査について、世界貿易機関(WTO)の原則に反する貿易・投資障壁に当たるとの調査結果を公表しました。
何が発表されたのか
中国商務部は木曜日の発表で、欧州連合(EU)が中国企業を対象に実施してきた外国補助金調査の運用が、貿易と投資を妨げる障壁になっていると結論づけました。この調査は、中国機械・電子製品輸出入商会(China Chamber of Commerce for Import and Export of Machinery and Electronic Products)の要請を受け、2025年7月に開始され、およそ6か月かけて行われたものです。
商務部によると、EUは自らの「外国補助金規則」に基づき、機関車などの鉄道関連、太陽光発電(フォトボルタイクス)、風力発電、保安検査機器といった分野の中国企業に対し、予備調査、詳細調査、さらに立ち入りを伴うレイド調査まで行ってきました。
EU調査のどこが問題とされたのか
中国側の調査に参加した関係者は、EUの調査手法にはいくつかの深刻な問題があると指摘しています。中国商務部は、その内容を次のように整理しています。
- 世界貿易機関(WTO)の非差別などの中核原則に反している
- 過度な制裁や不合理な期限設定があり、手続きの透明性と正当性に欠ける
- 関連法令が「選択的に」適用されている
- 外国補助金を認定する基準があいまいで、重要概念が主観的かつ恣意的に定義されている
- 調査の対象範囲が過度に広く、企業に「非常に大きな負担」を強いている
とくに「市場の歪み」といったキーワードについて、中国側は、EUがその定義や判断基準を明確に示していないと批判しています。その結果として、企業側はどこまで情報を出せばよいのか、どのように対応すればリスクを最小化できるのかが見えにくい状況だとしています。
中国企業への具体的な影響
今回の調査結果によると、EUの外国補助金調査によって、中国企業はすでに相当の経済的損失を被っているといいます。
- EUの調査を受けて入札を断念した案件:およそ76億元(約10.6億ドル)
- その他、影響を受けたプロジェクト:総額80億元超
商務部は、こうした案件の中には、中国企業が提供する製品・サービス・投資がEU市場に入ることを制限されたケースが含まれていると指摘します。その結果、関連する中国企業や製品の競争力が損なわれ、直接・間接の損失が生じたとしています。
EU側にも跳ね返る可能性
中国商務部は、影響は中国側だけにとどまらないとも強調しています。EUの現在の運用を続ければ、EU企業にとっても事業運営コストの増加を招き、消費者価格の上昇や一部の雇用喪失につながるおそれがあると指摘しました。こうした負担は、EU加盟国の経済と社会の安定した発展を妨げかねない、という見方です。
欧州委員会の対応と中国側の今後の方針
調査の過程で、中国商務部が提示した質問票に対し、欧州委員会は回答を提出せず、関連するコメントも行わなかったとされています。商務部の報道官である何亜東(He Yadong)氏は、記者会見でこの点を明らかにしました。
中国商務部は今後、二国間協議などの手段を通じて、EU側に現在の運用を調整・変更するよう働きかけていく方針です。その目的は、中国企業が欧州市場で投資・事業活動を行う際に、開かれ、公平で、公正かつ非差別的で予測可能な環境を確保することだと説明しています。
読者が押さえておきたいポイント
今回の動きは、補助金や産業政策をめぐる規律と、自由で公正な貿易・投資環境をどう両立させるかという、現在の国際経済に共通するテーマを映し出しています。EUが進める外国補助金規制の運用に対し、中国側がどのような修正を求め、今後どのような対話が行われるのかは、中国とEUの経済関係だけでなく、グローバルなサプライチェーンにも影響しうる論点です。
2025年12月時点で、中国とEUはともに大きな市場と貿易量を持つパートナーです。今回示された問題提起が、どのような形でルールの見直しや協議の場づくりにつながるのか、引き続き注目していく必要がありそうです。
Reference(s):
China says EU's foreign subsidy probes trade and investment barriers
cgtn.com








